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ナパ・ソノマで現代史上最悪の山火事、焼失したワイナリーも

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 カリフォルニア州のナパカウンティで8日夜、山火事が発生し、ナパ、ソノマ、メンドシーノに拡大し、死者が少なくとも10人、住宅や商店など1500棟以上が焼ける大規模災害となっている。カリフォルニア州のブラウン知事は、現代史で最悪の山火事に対して、ナパ、ソノマ、ユバカウンティに対して非常事態宣言を出し、ヘリコプターによる空と陸からの消火活動を行っているが、人員と機材が対応しきれていない。避難住民は2万人を超え、鎮火のめどは10日現在、まだたっていない。
 サンフランシスコ・クロニクルによると、炎は風速100キロを超す強風にあおられ、一時は300メートルの高さまで上がった。ノースベイの2万6000ヘクタール以上に広がっている。少なくとも、ソノマで7人、ナパで2人、メンドシーノで1人の死亡が確認された。
 火災が最もひどいのは、アンティノリやコングスガードのワイナリーがあるアトラス・ピークで、この土地では2人が死亡した。シルバラード・トレイル沿いのシニョネッロ・エステートは建物が焼け落ちた。近くのスタッグスリープ・ワイナリーも焼け、チムニー・ロック、ウィリアム・ヒル、ダリウッシュなどにも火災の危機が及んでいる。チムニー・ロックは夜間収穫中で、作業員が避難した。
 ソノマカウンティのサンタ・ローザの火災も規模が大きく、ハイウェイ101をまたいで広がり、ヘリコプターがハイウェイの車からドライバーらを救出した。ワイナリー訪問客がよく滞在するヒルトン・ソノマ・ワイン・カントリー・ホテルは焼け落ちた。カーネロス、グレン・エレン、カリストガでも小規模な火災が発生している。
 山火事の煙はベイエリア一帯に広がっている。リッジ・ヴィンヤードはサンパブロ湾をまたいで160キロも離れたシリコン・ヴァレーの近くにあるが、火災発生から一夜明けた9日朝でも煙の臭いがたちこめていたという。現地に滞在して収獲中の醸造家、黒川信治・大塚食品ワイン部部長は「9日朝から煙い状態でしたので、本日の収穫を取りやめました。ちょうど、糖度待ちのタイミングでしたので、今週は収穫を控える事になりそうです」と語った。
 ブドウの煙を浴びたブドウは「Smoke taint」を帯び、ワインに焦げ、バーベキュー、灰皿、ベーコンなどの香りが現れる。これまでも、リトライ、マーカッサンなどの有名ワイナリーが煙害のヴィンテージを仕込まなかったことがある。今回は被災範囲が大規模なため、ワインへの影響が懸念される。
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