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ようやく飲みごろ、ギュイヨのマルサネ2001

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 マルサネにこのところ注目している。

 少し不利なところがある。ボーヌからコート・ド・ニュイ地区を北上すると、ジュブレ・シャンベルタンで引き返すことが多い。さらに北のフィサンとマルサネを探索することは少ない。ロゼで有名だが、そればかりではない。白も赤も偉大とは言えないにしても、可憐なお買い得品を産している。値段の安い良心的な造り手が存在する。

 シルヴァン・パタイユは若手のホープだし、ブリュノ・クレールはアペラシヨンの象徴的な造り手だ。忘れていけないのはオリヴィエ・ギュイヨ。そういう自分が、5年ほど定温倉庫に預けて、ワインの存在すら忘れていた。

 冬になると、楽しみがある。飲みごろが近くなったワインを詰めた箱を倉庫から出すのだ。リストを見ながら、飲みごろを想像し、買ったときの値段をチェックする。タイムマシンで、10年前の自分に会うようなもので、興味深い。なぜ、こんなものをこんなに買ったのかというケースもある。興味は変わるからだ。

 今回のギュイヨのポイントは2001年ということ。マルサネの若樹から造るレ・ファヴィエール。ジュブレ・シャンベルタン・シャンポーも同じ箱に入っていた。微妙なヴィンテージだけに、そろそろ飲めるかもしれないと思った。数年前に開けた記憶では、果実が樽に覆われていた。

 発売から10年以上。ようやく、樽が果実と統合され、野いちごやスミレのような愛らしい香り。色合いも若々しい。オークが溶け込んで、複雑な風味を生んでいた。10年以上待たないといけないワインだったとは。それだけ果実のポテンシャルはあったということだろうか。ドライアウトしていなかったのだから。

 ラベルがいかしている。馬の耕作をそのままあしらっている。もちろん、ビオディナミを導入。オリヴィエが仕切るようになった1990年代以降は畑を拡大し、シャンボル・ミュジニーやモレ・サン・ドニのクロ・ド・ラ・ロッシュも世に出すが、新樽が強い。そこがたまにきずだった。せっかくのビオディナミの効果も伝わりにくいから。今は変わっただろうか。

 発見だったのは、2001はそろそろ飲みごろに入っているということ。これはほかの造り手でも実感している。ドメーヌ・ルロワも2000、2001年はほぐれてきている。2000年代では、2004と並んで飲みごろの一つかもしれない。

(2013年12月 自宅で)
ドメーヌ・オリヴィエ・ギュイヨ マルサネ・レ・ファヴィエール 2001
購入:都内のショップで2500円
月に一度は飲みたい度:88点

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