世界の最新ワインニュースと試飲レポート

MENU

  1. トップ
  2. 記事一覧
  3. アロマとフレッシュ感のバランス、スペイン・ルエダのベルデホ

アロマとフレッシュ感のバランス、スペイン・ルエダのベルデホ

  • FREE
 スペイン・カスティーリャ・イ・レオン州のベルデホで知られるDOルエダのルエダ原産地呼称統制委員会の輸出担当責任者、マリオ・マニョス・ブランコが、プロモーションで来日した。
 ルエダはカスティーリャ・イ・レオン州で1980年に最初に認定されたDO。固有品種ベルデホから造られる高品質な白ワインに力を入れ、スペイン国内の白ワイン市場では最大のシェア41%を占める。産地は74村に広がり、セゴビア、アビラ、バリャドリッドの3県にまたがる。69ワイナリーがあり、栽培農家は1491軒。栽培面積は1万4685ha(2016 年)。白葡ブドウが98%を占め、うち85%以上がベルデホ。ソーヴィニヨン・ブランがこれに続き、ビウラ、パロミノも栽培されている。
 ベルデホは1000年前、11世紀に北アフリカからモサラベ(イスラム化したキリスト教徒)がルエダに持ち込んだとされる。かつてはパロミノを使った酒精強化ワインや酸化熟成した「ビノ・ランシオ」が、宮廷ワイン” としてもてはやされた。リオハの老舗「マルケス・デ・リスカル」が1970年、ボルドー大のエミール・ペイノー教授をコンサルタントに迎え、フレッシュで若々しいワインを生み出し、産地の復興が始まった。
 ルエダは赤ワイン産地のトロとリベラ・デル・ドゥエロにはさまれる。地中海性気候ではあるが、標高は700-900m上と高く、テンプラリーニョが十分に熟さないため、白ワイン造りが発展した。降雨量は年間300-500リットルと乾燥し、日較差が大きいため酸が乗る。土壌は小石を多く含むシルト土壌で、石灰岩も含まれる。
 ルエダのベルデホは柑橘、白桃にハーブの香りが混じり、日照量の多さからアルコール度は高めで、果実の厚みがあるが、フレッシュな酸に支えられている。アロマとフレッシュ感のバランスが日本人の味覚にあう。
 「我々のワインは魚介料理によくあう。天ぷらとの相性の良さも実証済みだ。ステンレスタンクによる醸造が主体だが、フードルや樽、コンクリートエッグを使う生産者もいる。ソーヴィニヨン・ブランはボルドーの白の有力なライバルだ。ほかの産地には真似できない気候に恵まれている」と、ブランコは語る。
 80以上の国に1100万本以上を輸出している。日本向け輸出量は14万本だが、将来性のある重要な市場となっている。

購読申込のご案内はこちら

会員登録(有料)されると会員様だけの記事が購読ができます。
世界の旬なワイン情報が集まっているので情報収集の時間も短縮できます!

Enjoy Wine Report!! 詳しくはこちら

TOP