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庄司夫妻のフランス退去、解決に向けて前進

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 南仏バニュルスで自然派ワインを造る庄司宏史夫妻がピレネー・オリエンタル県から退去命令を受けていた問題は、解決の方向に動き出した。県は状況の再検討を決め、夫妻は3か月間の滞在を許可された。

 現地の報道によると、庄司夫妻は5日、弁護士立ち会いの下で県当局の担当者と面談して、少なくとも3か月間の滞在を認められた。当局は財政状況に関するさらなる情報の提出を受けて、滞在許可の申請を受け入れるかどうかを再検討する。夫妻と担当者の面談は友好的に行われたという。
 
 弁護士は「県の賢明な判断に満足している」と述べ、「すみやかに求められたすべての文書をそろえる」と語った。庄司夫妻は間近に迫る収穫に専念できる。

 問題は国内外で波紋を呼び、夫妻の滞在許可を求める嘆願サイトには5万3000件を超す署名が集まっている。 地元のオクシタニー地方議会議長のキャロル・デルガもTwitterで救済を呼びかけるメッセージを発信していた。

 庄司夫婦は2011年からフランスで暮らし、ブルゴーニュのドメーヌ・ド・シャソルネイやボルドーで修行し、栽培・醸造のライセンスを取得した。2017年、バニュルスに3.5haの土地を取得し、自己資金10万ユーロと銀行の融資5万ユーロをつぎ込んで、カタラン語で「白い石」を意味するワイナリー「Blanques Pedres」を設立、グルナッシュ主体のワインの生産を始めた。

 亜硫酸を添加せずに造る自然派ワインは、デビュー年から人気を集め、世界最高のレストランに選ばれたこともあるイタリア・ジローナ県の「カン・ロカ」も仕入れた。2018年も既に75%は予約で売れている。

 ピレネー・オリエンタル県は4月、「資金が不十分で、ワイン生産は存続できない」として、退去命令を出したが、弁護士が意義を申し立てて、問題は宙吊りになっていた。庄司夫妻の下には、1日にニュースで報じられてい以降、膨大な取材、問い合わせ、励ましたの言葉が寄せられているという。
事態の進展を報じる地元のL'Indépendant紙のウェブサイト記事

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