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米国がフランスワインやチーズに25%追加関税、ヨーロッパのワイン産業に大きな波紋

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 米国は、フランスワインやスコッチ・ウイスキー、チーズなどEU産農産物に対して、18日にも25%の報復関税を課すことを発表した。


 EUによる航空機大手エアバスへの補助金を巡る問題で、米国がヨーロッパ製品に対して75億ドル相当の報復関税を課すことを、世界貿易機関(WTO)が承認したのを受けて、米国政府が2日に発表した。


 米通商代表部(USTR)によると、報復関税は航空機が10%、ほかの工業製品、ワインやチーズなどの農産品には25%を上乗せする。フランス、ドイツ、スペイン、イギリス産ワイン、スペイン産のオリーブ、ヨーロッパ産チーズ、スコッチとアイリッシュ・ウイスキーなどが対象となる。シャンパーニュ、スパークリングワイン、イタリアワイン、アルコール度14%以上のワインなどは対象品目から外れている。


 ヨーロッパのワイン・スピリッツ産業への影響は大きい。EUの2018年の米国へのワイン輸出額は37億6000万ユーロ。フランス、スペイン、ドイツ、イギリス産ワインの輸出額は計13億8000万ユーロに達する。スコッチ・ウイスキーは米国が最大の市場で、大きな打撃を受ける。


 一方、米国のワイン生産の80%以上を占めるカリフォルニアワインの生産者の間でも不安が高まっている。EUは今回の報復関税に対する報復措置を検討している。EUはカリフォルニアワインの最大の輸出市場であり、2018年の輸出額は4億6900万ドルだった。

 

 カリフォルニアワインの生産者を代表するカリフォルニアワイン協会CEOのロバート・コッチ会長は「ワイン・インスティテュートは常に、世界の公正で、開放的で、互恵的なワイン取引を支持してきた。世界の消費者はプレミアムな品質、多様性、先導的なサスティナビリティゆえに、カリフォルニアワインを擁護している」と語り、「我々は今回の決定が米国産ワインへの関税増加につながり、我々の米国ワイン輸出を増大させ続ける努力を後退させることを懸念している」という声明を発表した。

 

 カリフォルニアの生産者は既に、米中貿易摩擦で苦しんでいる。関税が高まると、輸出先でのワイン価格にはねかえり、それは、ワイン生産から、トレード、消費者までワイン産業全体に波及する。

ボルドーのシャトーの熟成庫

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