最も多くの星を持つアラン・デュカス、パリの3つ星「オテル・プラザ・アネテ」を去る

　世界で多くの星を持つフランスの料理人アラン・デュカスが、パリのパラス「オテル・プラザ・アネテ」内にある3つ星レストラン「アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ」を去る。フランスのガストロノミー業界に激震が走っている。

　ホテルを運営するドーチェスター・コレクション・グループが、2000年から続けてきたデュカスとのパートーナーシップ契約を6月30日で更新しないというプレスリリースを発表した。両者の合意に基づくもので、理由は明らかにされていない。

　パンデミックで外国人観光客が訪れず、営業制限がかかってきた中で、経費削減が一因にあるという見方もある。レストランは屋内での食事が制限されていた時期は、22ユーロのテイクアウト料理を提供してきた。

　デュカスは2016年から、プラザ・アネテの3つ星を保ってきた。魚や野菜を多用して、デザートの砂糖やクリームを減らす料理でフランスの高級料理に新たな方向を示した。プラザ・アテネはモナコの「ルイXV・アラン・デュカス」と並ぶデュカスのフラッグシップだった。

　ブルネイ投資庁（BIA）が所有する9軒のラグジュアリーホテルを運営するドーチェスター・グループは、パリの2つ星「ル・ムーリス・アラン・デュカス」とロンドンの3つ星「ザ・ドーチェスター」でのデュカスとの契約は継続する。