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日本人が活躍するニュージーランド、トレイサビリティー追求するフォリウム…オーガニック・ワイン・ウイーク

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  ニュージーランドには、大勢の日本人ワインメーカーが活躍している。クスダ・ワインズの楠田浩之さん、サトウ・ワインズの佐藤嘉晃夫妻、フォリウムの岡田岳樹さん、キムラ・セラーズの木村滋久さん、マウント・フォードの小山竜宇さん、アーラーの小山浩平さん、大沢ワインズの大沢泰造さん、モアナ・パーク・エステートの寺口信生さん……。


 ジャンシス・ロビンソン・ドットコムやワイン・アドヴォケイトから高く評価されるワイナリーも少なくない。世界のワインが手に入る日本人にとって、ニュージーランドのワインは距離が近い存在となっている。


 オーガニック認証を取得しているワイナリーも多い。フォリウム・ヴィンヤードは、2013年にBiogroから畑での認証、2018年からすべてのワインで認証を得た。大沢ワインズは「Sustainable Winegrowing New Zealand」(SWNZ)の認証を受けている。アーラーもBiogro認証を取得し、バイオダイナミックスも導入している。


 サトウ・ワインズは開墾当初の2016年にBiogroの有機認証を取得し、フランスの造り手の下で身につけたバイオダイナミックスを厳格に導入している。キムラ・セラーズもオーガニック認証の取得を目指している。すべてのワイナリーが多かれ、少なかれオーガニックの思想を取り入れている。


 ニュージーランドに優れた日本人ワインメーカーが多いのは、ワイン造りを学ぶ留学先として、ニュージーランドが選択肢の上位にのぼるからだろう。


 フォリウムの岡田岳樹さんは、2003年にワーキングホリデーでニュージーランドに到着。オーガニックのクロ・アンリのヴィンヤード・マネジャーを経て、フォリウムを設立した。フランスやカリフォルニアでも経験を積んでいる。


 「ニュージランドは美しい自然に囲まれていて、日々の生活で多くの国民が自然に触れています。この美しい自然を守りたいとニュージーランド国民が考えていることが、環境意識の高さにつながっているのではないかと思います」と語る。
 

ワイン造りの透明性を保つ


 トレイサビリティーを重視する哲学を有するワインメーカーだ。ウェブサイトで、ポタジウムやベントナイトなどワインに添加した物質を明らかにしている。農産物であるワイン造りの透明性を保つという考えが、オーガニックワインにつながっているように思える。


 2018年以前も、認証のプロセスに入らなかっただけでオーガニック栽培は続けてきた。「オーガニックか否かを大切に思われる消費者の方もたくさんいらっしゃると思うので認証を取得しています」という。


 また、フォリウムでは2011年からドライファーミングを続けてきた。降水量が少なく、灌漑が普通のマールボロにあって珍しい取り組みは、ヴィンテージの違いやテロワーの表現、小さなキャノピー(樹冠)などの狙いがあるが、水の節約にも役立っている。


 「ニュージーランド・ワイングロワーズによると、2014/2015ヴィンテージに1本の樹に平均660リットルの灌漑水が必要となった。ドライファーミングは川や地下水から汲み上げる水を節約できる」


 オーガニックワインに取り組む造り手は、環境との調和を考える。その中で、結果的にサステイナブルなワイン造りにたどりついている。


 マーティンボロのグラッドストーンのアーラーを所有する西酒造は、鹿児島で「富乃宝山」「吉兆宝山」などの芋焼酎で知られる造り手だ、


 「私たちのワインが生産されているテロワールを保護し、社会的な責任を念頭に置き、自然のプロセスを考慮して、上層の土壌、流域、生態系の質を向上させることに取り組んでいます。 原動力となっているのは、経済的・環境的な持続可能性の追求です」と信条を掲げている。


 オーガニックワイン造りとは、サステイナブルな生き方につながっている。


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