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NZとブルゴーニュでピノ・ノワール生産、セントラル・オタゴのドメーヌ・トムソン

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 ニュージーランドのセントラル・オタゴとブルゴーニュのジュブレ・シャンベルタン。南半球と北半球でピノ・ノワールを手掛けるドメーヌ・トムソンの新ヴィンテージが届いた。バイオダイナミックで栽培するセントラル・オタゴの単一畑「Rows 76-89 Pinot Noir 2018」と、アルマン・ハインツが手掛ける白「St-Aubin“les Travers de Chez Edouard”2020」が印象に残った。


 ドメーヌ・トムソンは弁護士のデヴィッド・ホール・ジョーンズとPMチャン夫妻のワインへの情熱から生まれた。デヴィッドの高祖父はニュージーランド初の測量技師で、1850年代にサーヴェイヤー・トムソンと呼ばれていた。セントラル・オタゴのロウバーンに、2000年にブドウ畑を購入し、ワイン造りを始めた。


 2016ヴィンテージで、「ビオグロ」からオーガニック認証を得て、2013年にバイオダイナミックに転換した。ダンスタン湖を臨む斜面に広がる畑に牛を飼育し、プレパレーション(調剤)も自家製造している。


ジュブレ・シャンベルタンとサン・トーバンも生産


 2人ともブルゴーニュワインの愛好家だった。2000年夏にジュブレ・シャンベルタンのクロ・サン・ジャックのエスモナン家の上にアパートを借りて、5歳の子供と共にバカンスを送った。地元に溶け込んで、2003年にヴィラージュのレ・ゼヴォセルの0.4haの区画を購入できた。


 セントラル・オタゴのピノ・ノワールは、ベーシックな「エクスプローラー」と祖先の名前を冠した単一畑「サーヴェイヤー・トムソン」、クローナル・セレクションのロウズ・シリーズ(Rows Series)がある。


 「ドメーヌ・トムソン サーヴェイヤー・トムソン ピノ・ノワール 2019」(Domaine-Thomson Surveyor Thomson Pinot Noir 2019)はダークチェリー、ザクロ、タイム、温かみのある果実、生き生きした酸を秘めていてフレッシュ。しなやかなタンニン、アーシーでスモーキーなフィニッシュ。90点。


 「ドメーヌ・トムソン サーヴェイヤー・トムソン ピノ・ノワール 2017」(Domaine-Thomson Surveyor Thomson Pinot Noir 2017)はレッドチェリー、ブラッドオレンジ、バラの花弁、ドライハーヴ、しっかりしたストラクチャー。下草、なめし革、ほのかにスパイシーで、ほどよい長さがある。91点。


 「ドメーヌ・トムソン ロウズ 76-89 ピノ・ノワール 2018」(Domaine-Thomson Rows 76-89 Pinot Noir 2018)はクローン10/5を選抜した畑の76-89列から202ケースだけ仕込んだ。フローラルで、バラの花弁、レッドチェリー、ブルーベリー、シルキーなタンニン、ビシッとした酸があり、背骨がしっかりしている。シャクヤク、オレンジの皮、セントラル・オタゴらしい力強さの中に、クローブ、タイム。伸びのあるフィニッシュ。全房発酵50%。92点。


 ドメーヌは2018年、サン・トーバンとブルゴーニュACのシャルドネの畑2区画を取得した。醸造はシャサーニュ・モンラッシェのライジングスター、アルマン・ハインツが手掛けている。サン・トーバン レ・トラヴェール・ド・シェ・エドゥアールは丘の上部に位置する南東向き区画。


 「ドメーヌ・トムソン サン・トーバン レ・トラヴェール・ド・シェ・エドゥアール シャルドネ 2020」(Domaine-Thomson Saint-Aubin“les Travers de Chez Edouard”Chardonnay 2020)は白い花、熟したリンゴ、洋ナシ、レモンバーム、クリーミィなテクスチャー、ふくよかで、コアにはすがすがしい酸。繊細で、濡れた石、ソリッドなフィニッシュ。暑くて乾燥した2020年にフレッシュ感を保っている。0.57haの樹齢40-50年の古木から。91点。


 2020年のジュブレ・シャンベルタン・レ・ゼヴォセルは極少量生産だったため、輸出はできなかった。
 

ビオディナミで栽培するセントラル・オタゴの畑
ジュブレ・シャンベルタンの風景
デヴィッド・ホール・ジョーンズとPMチャン
社長のクラウディオ・ヘイ

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