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「ミラヴァル・ロゼはパティスリー・シェフのようにち密な仕事」…マルク・ペラン

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 ローヌ南部を代表する生産者ファミーユ・ペランの5代目当主マルク・ペラン氏が、ミラヴァルを引っ提げて来日した。
 ファミーユ・ペランは、ペラン・エ・フィスから名前を変えた。シャトー・ヌフ・デュ・パプのシャトー・ド・ボーカステル、南部に広がる自社畑のセレクション・パーセレール、ブラッド・ピット&アンジェリーナ・ジョリー夫妻とのジョイント・ヴェンチャーであるプロヴァンスのミラヴァル、米カリフォルニアのパソロブレスでハース家と組むジョイント・ヴェンチヤーのタブラス・クリークなどを展開して約150万本を生産。それ以外にネゴシアンのラ・ヴィエイユ・フェルムを600万本生産する。
 ジャン・ピエール&フランソワ兄弟を軸に、ジャン・ピエールの長男マルクを含む4人の息子と娘、フランソワの息子3人の計9人が、切り盛りしている。ジャン・ピエール&フランソワ兄弟は、2014年のデカンター・マン・オブ・ザ・イヤーを受賞した。ジャン・ピエールは71歳で、44歳のマルクが実務のかじ取りをしている。収穫期を除いて、年間4分の1は旅をしている。


 コトー・ド・プロヴァンスにあるミラヴァルは、ロゼ、白、赤を造る。ボーカステルから1時間半と近い。マルクはパートナーのブラッド・ピットと共に、米ワインスペクテーター誌の表紙も飾った。収穫時期、パッケージングなどを相談し、ピットも映画撮影がなければ、収穫期に試飲にやってくる。「洗練されたパレットの持ち主で、ブルゴーニュやローヌなどの、フィネスとバランス感のあるワインが好き」とマルク。
 ミラヴァルは700ヘクタールに広がるヴァレー丸ごとに広がる。地中海性気候だが、プロヴァンス北部で、標高は300メートル以上のため夜は涼しい。石灰岩と粘土の土壌。ビオロジックを展開する。看板のロゼは、サンソー、グルナッシュ、ロールは直接圧搾し、酸化に強いシラーのみセニエする。
 「ロゼを造るのは、ただのシェフではなく、パティスリーのシェフのようなもの。正確さと細かさが求められる。圧搾段階から不活性のアルゴンガスで酸化を避けて、発酵が終わったら、最新の瓶詰めラインのあるオランジに運んで、酸素に触れない状態で瓶詰めする。酸とミネラル感を大切にしている」
 2014は発売から半年を経て落ち着きが出た。フレッシュで生き生きした野イチゴや白い花の香り。柔らかい質感で、余韻にチョーキーなミネラル感が残る。飲むうちに食べ物が欲しくなる。エキスがあり、マルクが「2、3年たってから飲むが好き」というのもわかる。
 「フランスでは、ロゼを飲む人が白よりも多い。米国も伸びている。料理のライト化も理由の一つで、若い消費者に広がっている。ロゼを飲むのはライフスタイルとなっている」とマルク。
 ミラヴァル・ブランは2013がロール100%、2014がロール95%とグルナッシュ・ブラン5%。ミラヴァルの畑はコート・ド・プロヴァンスとコトー・ヴァロワ・アン・プロヴァンスにまたがっていて、2014ブランはロゼと違って、コトー・ヴァロワ・アン・プロヴァンスを名乗る。2014はステンレスタンク90%と樽10%で発酵・熟成したが、2013は半々だった。2013はやや豊かさが目立ち、レモンドロップやアーモンドの香り。2014はクリスピーで、フラワリー、キレのいい余韻が続く。
 ミラヴァル・ルージュ2013はシラー主体で、グルナッシュとサンソーをブレンド。スミレ、地中海のハーブ、黒コショウ、ベーコン。北部ローヌのサン・ジョセフを思わせるスパイシーさと硬質な感触がある。


 ミラヴァルのプロジェクトは2012年6月に始まったばかり。現在進行形だ。「カベルネ・ソーヴィニヨンは引き抜いた。ヴァレーの下部は水はけがよくないので、溝を掘って水を逃がしている。地質学のブルギニヨン夫妻の土壌分析では、上部の畑はブルゴーニュと共通するバジョシアン階の石灰岩が広がっている。ピノ・ノワールを植え始めていて、将来が楽しみだ」


2015年11月17日 東京・青山で

ミラヴァル ロゼ コート・ド・プロヴァンス 2014
希望小売価格:3500円
90点
ミラヴァル ブラン コトー・ヴァロワ・アン・プロヴァンス 2014
希望小売価格:4400円
88点
ミラヴァル ブラン コート・ド・プロヴァンス 2013
希望小売価格:4800円
87点
ミラヴァル ルージュ ヴァン・ド・フランス 2014
希望小売価格:4800円
87+点

輸入元:ジェロボーム

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