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ローラン・ポンソ、ドメーヌ・ポンソを去って新ワイナリー設立

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 ブルゴーニュのモレ・サン・ドニを代表するドメーヌ・ポンソの当主ローラン・ポンソが、ドメーヌを去って、息子と共に新たなジョイント・ヴェンチャーを立ち上げる。
 ワイン・スペクテーターのインタビューで明らかにした。記事によると、このヴェンチャー・ビジネスは「ローラン・ポンソ」の名で、業態はネゴシアン。息子クレメンも加わる。ニュイ・サン・ジョルジュの東にあるシトー修道院で知られるサン・ニコラ・レ・シトー村に本拠を置く。赤7種、白9種を年内に発売する。赤はシャンベルタン、グリオット・シャンベルタン、クロ・サン・ドニ、シャンボル・ミュジニー・レ・シャルム、ジュブレ・シャンベルタンが含まれ、白はモンラッシェ、コルトン・シャルルマーニュ、、ムルソーのペリエール、シャルム、ジュヌヴリエール、ブラニー、サンロマンが含まれる。ドメーヌ・ポンソの後継者がどうなるかは不明。
 60歳のローランが独立する理由は不明だが、相続問題が絡んでいると見られる。彼はローズ・マリー、カトリーヌ、ステファニーという3人の姉妹とドメーヌ・ポンソを共同所有している。ローランの持ち株比率は25%。相続となった場合は、ドメーヌの畑が分散して、現在のようなポートフォリオは不可能となる。それを避けるために家族から株を購入するには莫大な資金が必要となる。早い段階でネゴシアン・ビジネスに移行しておけば、畑の相続とは無関係に、自分が理想とするワインを生産し続けられ、息子への事業継承も簡単になる。近年は税金対策のため、ネゴシアンを設立して、そこがドメーヌワインを買い上げる形にしているドメーヌも多く、ブルゴーニュの大半のドメーヌがネゴシアン業も営んでいる。
 ポンソも既にローラン・ポンソの名でネゴシアンを設立している。2000年代に入って、「ジョイント・ヴェンチャー」の名の下に自社所有する畑以外のラインアップを拡大しており、これらのワインが今回の新たな事業に含まれると見られる。拡大してきた畑は自社所有ではなく、メタヤージュ(分益耕作)かフェルマージュ(賃借)と見られる。今回はネゴシアンの名前を冠しているが、単にブドウを購入するのではなく、栽培にも関与するという。年内に2015年のワインは発売されるが、今年の収穫を醸造して2019年に発売するのが本格的な稼働となる。
 ドメーヌ・ポンソはブルゴーニュの歴史の中で重要な役割を果たしてきた。イポリット・ポンソが1932年に生産量全部の自家元詰めを始め、引き継いだジャン・マリーは最大の所有者であるクロ・ド・ラ・ロッシュの畑からマサル・セレクションによって、現在のブルゴーニュの畑の大半で使われる高品質なクローンを選抜した。これがディジョン・クローンの113、114、115、667などで、ブルゴーニュで栽培される80%のピノ・ノワールがポンソに起源を持つという。ローランはパリで旅行代理店を営んだ後、1981年に戻ってきて、90年にドメーヌを継承した。所有する畑から造るドメーヌ・ポンソのほか、メルシエ家とのメタヤージュ(分益耕作)に基づくドメーヌ・デ・シェゾーのほか、近年は買いブドウによるワインを「ジョイント・ヴェンチャー」として生産している。

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