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中国人人初のマスター・ソムリエが誕生

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 中国人初のマスター・ソムリエ(MS)が誕生した。
 合格したのは、香港にベースを置くシャングリラ・ホテル&リゾーツのコーポレート・ワインディレクターのLU Yang(ルー・ヤン)。新疆ウイグル自治区出身。1984年生まれ。カナダのナイアガラ大学で栽培と醸造の学位を取得し、ペニンシュラ上海ホテルで評価され、中国本土で最も重要で影響力のあるソムリエとなった。2014年の中国の最優秀ソムリエ。2011年にWSETのディプロマに合格し、中国で初めてMSのアドバンスト・ソムリエを取得していた。各国のワイン・コンペティションで審査員を務めている。MS協会は中国での教育に力を入れていて、アドバンスト資格を得てMSディプロマを目指すソムリエが増えている。
 MS協会は、ロンドンの「ディナー・バイ・ヘストン・ブルメンタール」のヘッドソムリエ、ステファン・ニューマン(オーストリア)と、ロンドンの「ローストン・プレイス」のヘッドソムリエ、ピオトル・ピエトラ(ポーランド)も、ロンドンの試験でMSに合格したと発表した。MSは世界に236人となった。
 MSは飲料サービス業界の最高峰資格。世界のワイン業界に通用するパスポートだ。1969年に英国で最初の試験が行われ、MS協会は77年にロンドンで設立された。米国初の試験は87年に行われた。試験は口頭の理論、25分間で6銘柄のブラインド・テイスティング、サービス実技の3部門からなり、各部門で75%が合格点。MSディプロマの試験は3年以内に3部門に合格しないとゼロから再スタートになる。合格率は極めて低く、映画「SOMM」でもその厳しさが描かれた。イントロダクトリー、サーティファイド、アドバンストを経て、MSのディプロマに挑戦できる。教育プログラムと試験はヨーロッパ、アジア、オセアニア、アメリカで行われ、年間5000人以上が受験する。
 MSの教育プログラムと試験は、ワインを含む飲料産業のサービスに重点を置く。ビール、スピリッツを含む飲料を広くカバーし、飲料のマネージメントにフォーカスしている。ワイン、スピリッツ、ビール、シガーまでカバーする必要がある。米国に多く、トップレストランチェーンのワインディレクターや大ワイン企業のマーケティング・ディレクターなどの職についている。有名なのは1988年に取得したスターソムリエのラリー・ストーン。2002年に取得したポール・ロバーツのように、ボンドを経てコルギンの社長となったワイナリー経営者もいる。
 また、世界最優秀ソムリエコンクールの出場者も多い。代表はMW、MBA、世界最優秀ソムリエ、MS(1989年取得)、大英帝国勲章(OBE)と5冠ホルダーのジェエラール・バッセ。ベルギーのアリスティード スピーズ(2013年)、オーストラリアのフランク・モロー(2011年)、トルコのイサ・バル(2009年)らも取得している。
 MSに対して、マスター・オブ・ワイン(MW)の教育プログラムは、アカデミックなアプローチで、ワインの理論と知識、試飲能力を追求する。コンサルタント、ワイン商、教育家などが多い。
左からPiotr Pietras、Stefan Neumann、Yang Lu

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