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テンプラニーリョ信じたペスケラ

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 リベラ・デル・デュエロの名を世界に広めたスペインのティント・ペスケラを率いるアレハンドロ・フェルナンデス氏の次女オルガ・フェルナンデスさんが来日し、グルーポ・ペスケラのラインアップをプロモーションした。

 ペスケラはテンプラニーリョの可能性を信じ、40代だった1972年、若いころからの夢だったワイナリーを設立。ベガ・シシリア以外に有名生産者のいなかったリベラ・デル・デュエロに世界の注目を集めた。リベラ・デル・デュエロではペスケラとコンダド・デ・アサを手がけ、ラマンチャのエル・ヴィンクロ、サモラ州のデエーサ・ラ・グランハも生産する。生産量はペスケラが80万~90万本、コンダド・デ・アサが30万~40万本、デエーサ・ラ・グランハが20万本、エル・ヴィンクロが15万本。

 エル・ヴィンクロのクリアンサ2008(参考上代3500円)とグラン・レセルバ・パラへ・ラ・ゴローザ2003(同7000円)はお買い得度の高い1本。アメリカンとフレンチのオークで熟成。なめらかなタンニンとたっぷりした果実味、豊かな構造を備えている。デエーサ・ラ・グランハ2006(同3600円)は石炭、皮革の香り。きれいなタンニンを抽出している。これもお買い得。リベラ・デル・デュエロ以外でも、テンプラニーリョが成功することを示した。

 オルガさんは「産地よりもだれが造るかの方が重要ということがエル・ヴィンクロを飲むとわかる。ラマンチャにもリベル・デル・デュエロに匹敵するポテンシャルがある」と。

 コンダド・デ・アサ2009(同3800円)は87年に購入した畑から。ペスケラの畑から30キロの場所にあるという。ペスケラよりも近づきやすい。ペスケラはクリアンサ2010(同4200円)とレセルバ2009(同6500円)を試飲した。クリアンサは酸と果実とタンニンのバランスがよく、若くても楽しめる。レセルバはスケールが大きく、凝縮度がほぐれるのに時間がかかりそうだ。

 オルガさんは「ペスケラが登場した当時の産地のワインの多くは色もコクもなかった。父アレハンドロは革命を起こして、スペインワインの認識を変えた。ベガ・シシリアに影響を受けたが、やり方をまねしたわけではない。生まれついての革命家。テンプラニーリョの素晴らしさを信じ、愛していた。テンプラニーリョのみで造る生産者はペスケラしかない。テンプラニーリョは、トスカーナのサンジョヴェーゼのように、スペインでしか成功しない誇り高き品種」と強調した。

 東京・日本橋のマンダリンオリエンタル東京の「ケシキ」で昼食をしながらの試飲。タンドリースパイスをまぶした戻り鰹のソテー、国産牛リブロインのグリルなど、スパイスをきかせた料理と相性がよかった。

 問い合わせはミレジム。

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