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「北海道ワイン」、国内2番目の地理的表示に指定

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 国税庁は28日、「北海道」を地理的表示(GI)で保護するワイン産地に指定した。「山梨」に次いで国内で2番目。雨量の少ない冷涼な気候を武器とする「北海道ワイン」が、産地としてますます注目される。
 北海道はアメリン&ウィンクラーの分類では、最も冷涼な気候区分のリージョン1に分類されるが、温暖化によって熟度も上がっている。台風と梅雨のない気候に利点があり、ケルナー、ツヴァイゲルト、ソーヴィニョンブラン、シャルドネなどが栽培されている。ピノ・ノワールも、自然派のドメーヌ・タカヒコを筆頭に、増えている。ブルゴーニュ・ヴォルネイに本拠を置くエティエンヌ・ド・モンティーユが進出するなど、世界での注目度も高まっている。外国からのスキー観光客も多く、インバウンドも期待できる。

 ワインレポートが昨年行った、北海道の主要ワイナリーの試飲では、ドメーヌ・タカヒコ系列の3生産者7銘柄が(優良)の評価を受けた。世界的な影響力を有する英国のジャーナリストで、インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)のコ・チェアマンを務めるジェイミー・グッドは「スタイルの多様性が印象的。IWCでシルバーメダルやブロンズメダルをとれるワインが結構あった」と産地の可能性を高く評価していた。
比較試飲記事はこちhttps://www.winereport.jp/archive/1316/

 主要な産地は、余市町(後志)、岩見沢市(空知)、富良野市(上川)、池田町(十勝)など。4-10月の日照時間が1100時間以上と長く、気温の日較差が大きい。この期間の平均気温は15度以下と冷涼で、有機酸が豊富に含まれる。降水量は700mm以下と少ないため、病害のリスクは比較的に低い。明治8年にアメリカ系ブドウが札幌に移植され、開拓使の開拓殖産業としてワイン作りが始まった長い歴史を有する。
 国税庁が原料に指定する品種の北海道産ブドウを使用し、北海道内で醸造、瓶詰めを行い、管理機関の検査の合格を受けたワインが、北海道の地理的表示が可能となる。道産ワイン懇談会が2017年に、国税庁にワイン産地としての登録を申請していた。

 国が地域ブランドを保護する酒類の地理的表示は計8種で、これに日本国を産地とする日本酒が加わる。

地理的表示の酒類一覧は次の通り。(産地の範囲)

▼蒸留酒
壱岐(長崎県壱岐市)
球磨(熊本県球磨郡及び人吉市)
琉球(沖縄県)

▼清酒
白山(石川県白山市)
山形(山形県)
灘五郷(兵庫県神戸市灘区、東灘区、芦屋市、西宮市)

▼ワイン
山梨(山梨県)
北海道(北海道)

 地理的表示「北海道」生産基準はこちらhttp://www.nta.go.jp/taxes/sake/hyoji/chiri/1806_besshi01.htm
日本を代表するピノ・ノワールの「ドメーヌ・タカヒコ ナナツモリ」

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