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パリのキャビアメゾン「BOUTARY」が東京進出

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 パリにレストランを展開するキャビアメゾンが東京に進出した。現地から直送のフレッシュなキャビアを供するフレンチビストロ&キャビアバー「BOUTARY(ブタリ)」を東京・赤坂にオープンさせた。

 メゾン・ブタリは2012年に創業。当主のシャルル・ド・サン・ヴァンサンが、ブルガリア南部に純度の高い水の湖から、春と秋の2回、キャビアを生産している。パリにレストラン2店を展開する。現地のメゾンが日本で本格的なレストランを開くのは珍しい。

 カスピ海産のキャビアの国際取り引きは2006年、ワシントン条約で禁止されたため、現在は各国で養殖されるキャビアがレストランで使われている。ブタリのキャビアは防腐剤を使用せず、塩だけで保存し、低温殺菌していないフレッシュ・キャビア。賞味期限は短いが、保存期間を延ばすため加熱処理をしたキャビアと違って、新鮮な風味とテクスチャーを保っている。零下2度から2度の低温で、パリ本店から直輸入している。

 ブタリで供されるのはバエリ、スターレット、オシェトラ、ベルーガの4種。グラム単位で食べられ、スプーン1杯のお試しキャビアも1280円から用意されている。

最も少ない量の価格は以下の通り。

バエリ 10g 2560円

スターレット 10g 2900円

オシェトラ 25g 8700円

ベルーガ 25g 16100円

 スターレットとオシェトラを試食した。最初は単体で、2回めはシャンパーニュのビルーカール・サルモンNVと合わせて。素のままで食べた方が素性がよくわかり、シャンパーニュで風味と脂っこさを流してから口にふくむと、潮っぽいミネラル感を帯びた繊細なハーモニーが広がる。低温殺菌したものより塩気は強いが、テクスチャーがはっきりしていて、味と香りの広がりがある。

 スターレットは余韻が長く、磯の香と栗のペースト、まろやかなテクスチャー。オシェトラは階段を三段跳びするくらいのレベルの差がある。味わいのヴォリューム感があり、香りも複雑。海底に舞い上がる砂、カキ殻、ウニ、ヨード香、熟成した白ワインに通じるナッティな風味。焦点のあったテクスチャー。うまみにあふれ、味と香りが縦に伸びる。余韻ははるかに長く、ジリジリと続き、唇に塩気が残る。

 マッシュポテトとレモンクリームにバエリを載せたスモーキーなスペシャリテ(1800円)は、酸味と柑橘の香りがキャビアを包み込み、シャンパーニュとともに楽しむと、ミネラル感が相乗する。2皿にキャビアがつくデイナーコースは7500円。

 パリ店で働いていた支配人の菊地慧さんは「日常の中の非日常を演出したい。毎日は食べられなくても、週1回のご褒美ランチや記念日ディナーなどで、キャビアを楽しんでほしい。ディナーの前に、キャビアだけつまむ0.5次会やパーティの使用もお待ちしています」と語っている。

 料理は軽い食感のモダンタッチで、ワインリストも気がきいている。

 地下鉄の赤坂駅、赤坂見附駅の中間で、いずれからも4、5分。東京都港区赤坂5-1-29 富士屋ビル1階http://boutarytokyo.gandi.ws/
スターレット(右)とオシェトラ
スペシャリテのマッシュポテト、キャビア、レモンクリーム
ハウス・シャンパーニュはビルカール・サルモン
支配人の菊地慧さん
ランチのチキン

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