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2018年シャンパーニュ出荷量、輸出がフランス国内向け初めて上回る

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 シャンパーニュ委員会が11日、2018年の出荷数を正式に発表した。前年比1.8%減の3億200万本となった。フランス国内向け出荷が減少したのが大きな要因で、輸出市場向け出荷量が、半世紀以上にわたる歴史の中で初めて国内向け出荷量を上回った。出荷額は、市場最高を記録した2017年の49億ユーロ相当と見られる。


 輸出先別のデータは3月中旬に発表されるが、フランス向けは4.2%減の1億4700万本。これは需要が最も高まる11月末から12月にかけて、6週間にわたり行われたデモで、消費者心理が冷え込んだためと見られる。


 トップ輸出市場の英国を抱えるEUは0.9%とわずかに減少し、7600万本となった。これに対して、EU以外の外国向け出荷数は2.1%増で、約7900万本に達した。EU以外の輸出市場はこの10年間で着実に伸び、トータルで90%の成長率を示している。輸出市場向け出荷量は計1億5500万本で、総出荷量の51.3%に達した。


 シャンパーニュの出荷量は、50年以上にわたり、国内向けが輸出向けを上回ってきた。フランスのシャンパーニュ消費は戦後、発展してきたが、2000年代半ばから減少に向かった。シャンパーニュ委員会の2017年レポートによると、総出荷量は約3億730万本で、国内向けが約1億5380万本だったのに対し、輸出向けは1億5350万本とほぼ同じだった。2018年は国内と輸出の構図が逆転する歴史的な転換点となった。


 伝統的市場のフランスとEUの消費が停滞あるいは減速しているのに対し、米国、日本、オーストラリアなどの新興市場は着実に成長している。伝統市場でノンヴィンテージなどエントリーレベルのシャンパーニュが減少傾向にあるのに対し、新興市場はプレスティージュキュヴェやロゼの比率が高まっている。

 

 フランスでは、直売比率の高いレコルタン・マニピュランが苦戦し、5%減少した。シャンパーニュ販売の半分を占めるスーパーマーケットで、スパークリングワインの値下げ競争が激しく、利ザヤの大きいプロセッコ、カヴァ、クレマンの販売に向かっているという見方もある。


 日本は2017年の出荷で初めて、金額・数量ともに3位になった。シャンパーニュの種類別にみると、NVとヴィンテージを合わせたブリュットが全体の68.7%を占めたが、高額なロゼが11.8%、プレスティージュキュヴェが9.6%を占め、金額を押し上げていた。
 
 

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