世界の最新ワインニュースと試飲レポート

MENU

  1. トップ
  2. 記事一覧
  3. 鹿児島の焼酎蔵「西酒造」、NZの「グラッドストーン アーラー」でワイン生産へ

鹿児島の焼酎蔵「西酒造」、NZの「グラッドストーン アーラー」でワイン生産へ

  • FREE

 鹿児島県の焼酎蔵「西酒造」が、ニュージーランド北島マーティンボロのワイナリー「Gladstone URLAR」(グラッドストーン アーラー)を買収し、ワインの生産に乗り出す。


 1845年創業の西酒造は「富乃宝山」「吉兆宝山」などの芋焼酎で知られる。インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション2014では、焼酎業界で初の最高金賞、部門最高賞のトロフィーを受賞し、アジア・パシフィック・スピリッツ・プロデューサーにも認定された。


 8代目当主の西陽一郎さんが、2004年にアンガス&デイヴィナ・トムソン夫妻の創業したアーラーと交流し始めたのは5年前。トムソンから一昨年、ワイナリーを引き受けてくれないかと打診された。チャンスがあればワイン業界に挑戦したい気持ちはあったが悩んだ。栽培醸造家の小山浩平さんの「一緒にやりましょう」という言葉に背中を押されて、決断したという。

 
 厳しい気候のマーティンボロ・グラッドストーンはピノ・ノワールの産地として有名。アーラーはソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・ノワールを主軸に生産する。「ソーヴィニヨン・ブラン 2017」は抑制された中に優雅さを秘めた柔らかい味わい。酸は中程度で、全体に丸い。2800円。「ピノ・ノワール 2016」はダークチェリー、バラの花芯、心地よい酸があり、抽出は穏やか。エレガントなテクスチャー。3500円。

 
 ニュージーランドは、マーティンボロのクスダワインズ、セントラル・オタゴのサトウ・ワイン、マールボロのフォリウム、キムラ・セラーズなど日本人ワインメーカーが活躍している。そこに新たな日本人醸造家が進出するとあって、地元でも注目されている。


 西社長と20年来の友人の大橋健一MWは「醸造と蒸留という違いはあるが、西さんは優れた造り手。ソーヴィニヨン・ブランは昔のサンセールを思わせる懐かしさがあり、エイベル・クローンから造るピノ・ノワールはセイバリーで奥行きがある。世界で成功する日本人ワインメーカーが増えている中で、日本人スターがひしめくニュージーランドに進出するのは意義深い」とコメントした。

 

西陽一郎さん(右)と小山浩平さん

購読申込のご案内はこちら

会員登録(有料)されると会員様だけの記事が購読ができます。
世界の旬なワイン情報が集まっているので情報収集の時間も短縮できます!

Enjoy Wine Report!! 詳しくはこちら

TOP