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中華と熟成したジャクソン・シャンパーニュの好相性

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ネゴシアンだが実質はドメーヌ。ブルゴーニュでもシャンパーニュでも、そういう言葉を造り手から聞くことが多い。

 実態にそぐう場合もあれば、あてはまらない場合もある。ジャクソンは少なくとも真実だ。ネゴシアン・マニピュランではあるが、畑の管理を細かく指示している。出来上がるワインの一貫性でわかる。

 ルイ・ロデレールのように自社畑を大量に持てるメゾンは少ないが、ジャクソンのように良心的に栽培管理すれば、レコルタンの域に近づけるのは可能だ。

 ジャクソンがすごいのは、大半のレコルタンに先駆けてリューディを造る方向に踏み出したこと。シャンパーニュ造りは時間がかかるから、その決断はジャック・セロスより早かったかもしれない。両者は仲もいい。最初の実験は1995年に詰めたディジーのコルヌ・ボートレイのブラン・ド・ブラン。96年にはアイのヴォーズレ・テルムを詰めた。そこから、畑別に詰めるという現在の路線が始まった。

 その方向は支持するが、私には忘れられないキュヴェがある。フラッグシップのグランヴァン・シナチュール。大昔にジャクソンを発見したのがこの1993年だったので思い出深い。95年が100ドルで出ていたので飛びついた。手持ち最後の1本。

 ピノ・ノワールとシャルドネがそれぞれ55%、45%。ピノはアイとシルリー、シャルドネはアイが主体でシュイィをブレンドしている。メゾン特有の大樽を使った微妙に酸化したスタイル。ピノ・ムニエを抜いたクリュッグのようだ。ムニエの柔らかさがない分、シリアスに仕上がっている。

 ドザージュは現在より多いが、チョーキーなミネラル感と焦点の合った味わい。ヘビー級ではないが、白トリュフやモカの香りが出ている。スモーキーで、スパイシー。クリーミィなテクスチュアは何度でもすすりたいほど。デゴルジュマンは2004年。熟成したシャンパーニュの醍醐味を楽しめた。

 かつて、オリヴィエ・クリュッグとの試飲で、都内ホテルの中華との相性がよかった思い出がある。この日も大成功。スパイスと魚と肉の複雑な味わいを生かした中華は、和食よりもはるかに熟成したシャンパーニュ向きだ。うまみとうまみが相乗する。フカヒレのスープ、北京ダック、小籠包、エビのXO醤などにぴったりだった。


(2014年2月 グランドハイアット東京「チャイナ・ルーム」で)
シャンパーニュ ジャクソン グランヴァン・シナチュール 1995
購入:米西海岸のショップ 100ドル
死ぬまでにもう一度は飲みたい度:94点

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