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シュナン・ブランを再定義、南アの1級アルヘイト

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 南アフリカに関心のある愛好家で、アルヘイトの名を知らない者はいないだろう。シュナン・ブランのスぺシャリストであり、ティム・アトキンMWも2015のケープ格付けで、15しかない1級に位置付けている。
 トップレンジの「マグネティック・ノース・マウンテン・マクストック」はカルトワインの一つ。6月に来日したクリス&スーザン・アルヘイト夫妻は予想以上に若く、発想も柔軟でグローバルだった。

 「カルトロジー 2014」はほのかに残糖、アプリコット、オレンジ、ジャスミン、トロリとした口当たりで、豊かなエキスと酸のバランスがとれている。口中でハーモニーがあり、フィニッシュにハチミツやフェンネルの香りがまとわりつく。飲むほどに深みが増す。4区画をブレンドしたシュナン・ブラン88%、セミヨン12%。
 「カルトロジー 2013」は黄桃、レモンタルト、果実はより熟していて、おおらかな味わい。フィニッシュは磯の香りを伴うミネラル感とほろ苦みを伴う。さらに10年は熟成するだろう。

 クリス・アルヘイトはヘメル・アン・アルドで、クリスタルムのピーター・アラン・フィンレイソン、ショーン&ドーターズのジョン・セコンブと小さなワイナリーを共用していた時期がある。南アの若い生産者は切磋琢磨しながら、つながっている。
 「レディオ・ラザルス 2014」はシェール土壌から造られるシュナン・ブラン100%。トロピカルなフルーツ、砕いた石、鉄、チョーキーなテクスチャーと熟した果実がきれいに調和している。オレンジの皮、セージの香るフィニッシュ。丘陵の上の2.2ヘクタールの単一畑から。2014年は6樽の生産。メーリングリストで売り切れて、輸出向けはないが、特別に供された。
 南アのシュナン・ブランのカルトワインが「マグネティック・ノース・マウンテン・マクストック 2014」。標高520メートルの砂利と粘土が混じり鉄分の多い土壌から。焦点があっていて正確。強烈な集中力がある。黄桃、グレープフルーツのジュレ、継ぎ目のないテクスチャーと深みがあって、強烈なドライブと非常に長い余韻。自根の株仕立ての畑から。
 アルヘイトはギリシャ・サントリーニ島のアシルティコやフランス・ルーションのゴビーなど、各地を旅して学んでいる。「その土地でしか造れないものを造りたい」という結論にたどりついた。玉石混交だった南アのシュナン・ブランの定義を書き換えつつある。

2016年6月1日 東京・港区で

アルヘイト・ヴィンヤード カルトロジー 2014
92
参考上代:5000円
アルヘイト・ヴィンヤード カルトロジー 2013
92
参考出品
アルヘイト・ヴィンヤード レディオラザルス 2014
93
参考出品
アルヘイト・ヴィンヤード マグネティック・ノース・マウンテン・マクストック 2014
94
参考出品
輸入元:ラフィネ

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