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ルイ・ロデレール、ブリュット・ナチュール 2009発売へ

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 シャンパーニュのメゾン、ルイ・ロデレールは、糖分添加しないキュヴェの第2弾「ブリュット・ナチュール 2009」を8月から世界で発売する。日本発売は秋以降になる予定。

 来日したミッシェル・ジャノー副社長が明らかにした。ブリュット・ナチュールは、2006年ヴィンテージから、1974年のクリスタル・ロゼ以来40年ぶりの新キュヴェとして、2014年秋に発売された。ビオディナミで耕作するキュミエールの完熟したピノ・ノワール65%を軸に、オーヴィレールのシャルドネ35%をブレンドした。生産量は約6万本。シェフ・ド・カーヴのジャン・バティスト・レカイヨンは「ブリュット・ナチュールはキュミエールのテロワールの表現」と話しており、2009年ヴィンテージから出すべく、準備を進めてきた。
 また、クリスタルについては、現行の2007に続いて、2016年末に2009ヴィンテージを発売する。クリュッグは2003の後に2002を、1989の後に1988を出すなど、ヴィンテージの順番を入れ替えて発売したが、クリスタルでは異例。2008のポテンシャルの高さを物語っている。
 一方、クリスタルのレート・ディスゴージドは1995と1996が造られたが、ジャノー副社長は「2017年半ばに1つのヴィンテージを発売する」と初めて明らかにした。このキュヴェは、オリと共に長期熟成してデゴルジュマンを遅らせた上に、ポスト・デゴルジュマンの期間も長くとり、デゴルジュマンの前と後の長期熟成から生まれる味わいの複雑さを引き出す。レカイヨンは「夢のクリスタル」と話している。2015年にも発売されると報じられながら、発売時期が伸ばされてきた。

 ジャノー副社長来日に合わせて行われたイベントで、「ブリュット・ナチュール 2006」と「クリスタル 2007」を試飲した。「ブリュット・ナチュール 2006」は2015年秋に輸入されたもので、2014年秋に発売されたものより、デゴルジュマン後の熟成期間が1年ほど長い。2年前に飲んだボトルより、進化していて、洗練された。テクスチャーがまろやかになり、酸と果実が美しく統合されている。それでいて、正確さは失われておらず、深みが増した。有塩バターのうまみと濡れた石の感触がある長いフィニッシュ。
 「クリスタル 2007」も、2015年10月より発展していた。58%のシャルドネからくるフレッシュ感が柔らかくなった。黄桃やブリオッシュの香りに心奪われる。レーザー光線のように焦点が合っていて、リッチな果実が多面的に広がる。高い熟度とキレのある酸が一体となって、味わいとボディを持ちあげる。唇に塩みを感じるほどミネラリー。「クリスタルはブレンドではなく、畑の力を引き出すチューニング」という、ジャン・バティスト・レカイヨンの言葉を思い出した。

2016年5月19日 東京・広尾で

ルイ・ロデレール ブリュット・ナチュール 2006
94点
税抜き価格:1万5000円
ルイ・ロデレール クリスタル 2007 
97点
2万8000円
輸入元:エノテカ

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