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冷涼なサンタ・マリアから、バイロンのお値打ちシャルドネ

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 カリフォルニア・サンタバーバラ郡でブルゴーニュ品種を手掛けるバイロンのワインメーカー、ジョナサン・ナギーが、プロモーションで来日した。

 バイロンは、ザカ・メサから独立したケン・ブラウンが1984年に設立した。サンタバーバラ郡で3番目のワイナリー。1990年代にロバート・モンダヴィ傘下に入ったが、2006年からジャクソン・ファミリー・ワインズの傘下に入った。
 ワイナリーのあるサンタ・マリア・ヴァレーは、山脈が東西に走り、太平洋からの涼風が吹き抜ける。夏が暑すぎず、ブドウの生育期間は長い。糖度が上がらなくても、天然の酸と香り高いフレーバーが蓄えられる。1964年にウリエル・ニールソンが植えたサンタバーバラ郡初の商業畑であるニールソン・ヴィンヤードを、1989年に取得した。樹間の間隔、台木とクローンの組み合わせなどを実験し、1996年に重力で果汁を移動するシステムを備えたワイナリーを建設した。
 2013年から、ニールソン・ヴィンヤードにフォーカスした「ニールソン・バイ・バイロン」と、単一畑の「ニールソン・ヴィンヤード」の区分を明確にした。単一畑は、サンタ・リタ・ヒルズAVAやシェラマドレの畑のものを今後、生産していく予定。

 「ニールソン・バイ・バイロン サンタバーバラ シャルドネ 2014」は白桃、ストーンフルーツ、洋ナシのポーチ、酸と果実のバランスがとれていて、冷涼感がある。アルコール度は13.5%で穏やか。中古樽とステンレスタンクで発酵し、部分的にマロラクティック発酵をしている。ロス・アラモスとサンタ・マリア・ヴァレーのブドウから。お値打ち。
 「ニールソン・ヴィンヤード シャルドネ 2012」は焼きリンゴ、パイナッル、バタースコッチ、フルーティで、リッチだが、酸があるので、14.6%のアルコール度にもかかわらず、バランスがとれている。30%新樽のフレンチオークで発酵し、フルマロ。
 「ニールソン・バイ・バイロン サンタバーバラ ピノ・ノワール 2013」は、ザクロ、レッドチェリー、シナモン、タンニンはシルキーで果実はピュア。高くなりつつあるサンタバーバラのピノではお手ごろ。気軽に飲めるスタイル。サンタ・マリア・ヴァレー、サンタ・リタ・ヒルズ、ロス・アラモスのブレンド。
 「サンタ・マリアは砂やシェールの土壌で、サンタ・リタは粘土やローム、珪藻の化石を含むダイアトム土壌。サンタ・マリアはシルキーなタンニンでアロマティックだが、サンタ・リタは果皮が厚く、大きなタンニンになる」
 「ニールソン・ヴィンヤード ピノ・ノワール 2013」はダークベリー、クローヴ、スモーク、ややアルコリックで、果実主体。石灰岩、シェールを含む東側の4ブロックから。40%新樽フレンチオークで熟成。
 クローンはディジョンとヘリテージのスワンの両方を植えている。「両方とも好きだが、我々のテロワールではスワンは房が小さく、アロマティックで、かわいい味わい。ディジョン667はスワンより大きめで、ジャミーな風味になる」と。ジャクソン・ファミリーズには多くのブティック・ワイナリーが属しており、ワイナリー間でブドウを融通するという。

2016年3月24日 東京・丸の内で

バイロン ニールソン・バイ・バイロン サンタバーバラ シャルドネ 2014
88点
参考上代:3180円
バイロン ニールソン・ヴィンヤード シャルドネ 2012
89点
参考上代:5200円
バイロン ニールソン・バイ・バイロン サンタバーバラ ピノ・ノワール 2013
87点
参考上代:3540円
バイロン ニールソン・ヴィンヤード ピノ・ノワール 2013
89点
参考上代:6600円
輸入元:ファインズ

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