世界の最新ワインニュースと試飲レポート

MENU

  1. トップ
  2. 記事一覧
  3. 2022年のシャンパーニュ輸入、日本は数量・金額ともに過去最高を記録

2022年のシャンパーニュ輸入、日本は数量・金額ともに過去最高を記録

  • FREE

 2022年の日本向けシャンパーニュ輸出は数量・金額ともに20%以上増加して過去最高を記録した。シャンパーニュ委員会(CIVC)が、日本のメディア向けに2022年の実績を公式に発表した。


ちょっとしたお祝い 映えを意識した消費


 日本は世界で3番目の輸出市場。日本向け輸出量は1657万本。2021年比で20.0%増加し、過去最高を記録した。輸出額は21.9%増の4億3218万ユーロ。2021年の過去最高を更新した。


 2022年のフランスと輸出を含む世界出荷量は3億2550万本。2021年より1.5%、パンデミック前の2019年より9.6%増加した。過去15年間で最高のヴォリュームで、リーマンショック前の2007年に次ぐ記録。出荷額は63億ユーロを超えた。


 輸出市場が好況をけん引している。かつてとは逆転し、輸出量の割合は57%。フランス国内向け出荷量を上回っている。


 CIVCは「パンデミックが終息し、新たなバイヤーが登場し、バイ・ザ・グラスの需要が拡大した。記念日などの祝祭だけでなく、日常のちょっとしたお祝いや節目に飲まれている」と分析している。


 輸出市場1位の米国、2位の英国と日本を比較すると、両国向けの輸出量は前年比で減少した。輸出額は米国が19.4%、英国が9.5%増加したが、日本はそれらを上回る21.9%の増加。英米より平常時への復帰が遅れたが、パンデミックから本格的に回復したことがうかがえる。


 CIVC日本支部の笹本由香里代表は「シャンパーニュがあるだけでその場が華やぐ。SNSを見ても、女子会などで映え(ばえ)を意識した投稿が増えている。それらが消費を促進しているのでは」と見ている。


ナイト・マーケットに強い甘口


 一方、日本向けをキュヴェ別に見ると、ロゼ(8.6%)とプレスティージュ(9.9%)の比率が世界的にも高いが、ドザージュの多いキュヴェ(甘口)の比率が両者を上回り10.8%に達している。これはブリュット・ノンヴィンテージに次ぐ2番目の比率。


 甘口はナイト・マーケットがけん引していると見られる。東北の中核都市の大手業務酒販店の社長は「トップブランドの甘口であるモエのアイス・アンペリアルや、ネクター・アンペリアル、ヴーヴ・クリコのホワイトラベルなどが、毎月品切れを起こしている」と明かす。


 「市場の需要に対して供給が追いついてないので、トップブランドの甘口が潤沢に輸入されれば、もっと甘口シャンパーニュの数量が伸びると思われる。シャンパーニュはコロナ中も絶好調だった」と語る。


 ただ、世界的には辛口志向が高まっている。今年の日本市場でもドザージュが低めのキュヴェは1ポイント増えて、高めのキュヴェは0.6ポイント減っている。


病害や気候変動対策に注力


 CIVCは近年、病害や気候変動対策に力を入れている。バクテリア感染でブドウ樹を滅ぼす「Flavescence doree(フラヴサンス・ドレ=オオヨコバイ科ヨコバイ)などの対策や品種の革新のために、研究開発センターを創設する。


 また、カーボン・フットプリント削減に20年前から取り組み、二酸化炭素排出量は20%減少した。2050年までに75%削減の目標を掲げている。ブドウ畑に生け垣を作ったりするアグロフォレストリーにも取り組む。シャンパーニュでは73%の生産者が環境認証を取得している。

世界のトップ10輸出市場への出荷量
世界のトップ10輸出市場への出荷額
過去10年間の日本向け出荷量と出荷額
日本のキュヴェ別の割合

購読申込のご案内はこちら

会員登録(有料)されると会員様だけの記事が購読ができます。
世界の旬なワイン情報が集まっているので情報収集の時間も短縮できます!

Enjoy Wine Report!! 詳しくはこちら

TOP