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シャトー・モンテレーナで造ったシャルドネ1973が「パリスの審判」で勝利し、世界のワイン地図を塗り替えたミイェンコ(マイク)・ガーギッチが4月に100歳になり、誕生日パーティで元気な姿を見せた。
ガーギッチは1923年、クロアチアで11人兄弟の末っ子として生まれ、1958年に無一文でナパヴァレーにたどり着いた。ボーリュー・ヴィンヤードで、伝説的な醸造家のアンドレ・チェリチェフの下で働き、ジョルジュ・ド・ラトゥール カベルネ・ソーヴィニヨンなどの高級ワインも造った。
共産主義のロシアと戦争で荒廃したヨーロッパから逃れてきた2人はともにワインを造り、ガーギッチはろ過、低温発酵、マロラクティック発酵などの知識をチェリチェフから学んだ。ロバート・モンダヴィは専門知識を身に着けたガーギッチを雇った。
マイケル・モンダヴィによると、ロバートはチェリチェフを雇いたかったがかなわず、技術的な専門知識を備えるガーギッチを雇った。マイケルは細部に気を配り、衛生管理することの重要さを学んだという。
シャトー・モンテレーナのジム・バレットの下で、造ったシャルドネ1973は、1976年に開かれたパリ・テイスティングで、ブルゴーニュの白ワインを打ち負かし、歴史を変えた。このワインのブドウの40%はロシアン・リヴァー・ヴァレーの畑から調達したものだった。
翌年、ラザフォードにガーギッチ・ヒルズ・エステートを共同で創業した。エステートはシャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン、ジンファンデルなどをオーガニック栽培している。現在は娘のヴァイオレット、おいのイヴォ・ジェラマズがワイナリーを運営している。
先月20日に行われたパーティに、ガーギッチは車椅子で登場した。スタッグス・リープ・ワイン・セラーズのウォーレン・ウィニアルスキー、ジムの息子ボー・バレット、マイケルとティム・モンダヴィら、ナパヴァレーの歴史を作ってきた造り手たちが出席した。確執のあるマイケルとティム兄弟が同席するのは珍しいという。
バイデン大統領から「わが国の素晴らしいところをすべて代表している」という祝福の電報も届いた。モンテレーナ1972のシャルドネなど半世紀前のワインを飲みながら昔話がはずんだという。1968年にナパヴァレーには16軒のワイナリーしかなく、高級レストランなどなかった逸話も披露された。
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