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ワインを試飲する際は吐き出すのと飲み込むのとどちらが正しいのか。ブルゴーニュの伝説的な評論家ジャッキー・リゴーと土壌学者のリデイァ&クロード・ブルギニョン夫妻、バローロのロベルト・コンテルノの3人の議論が、イタリアのワインニュースサイト「WineNews.It」に掲載されて話題を呼んだ。
ワイン・サーチャーが紹介した記事によると、先月にイタリアで行われたイタリアとフランス各地のテイスティング後に4人に対するインタビューが行われた。
リゴーは「特に地質感覚のテイスティングは、ワインを口に入れて噛むことから始まります。その粘度、柔らかさ、質感、唾液の質を味わうのですが、これらはワインを飲み込むかどうかで異なるのです」とリゴーは語った。
この意見にはジャコモ・コンテルノを指揮するロベルト・コンテルノも共感した。彼は職業上の理由からワインを吐き出さなければならないと認めながらも、真のテイスティングにはワインを飲み込むことが必要だと考えている。
「100-150種類のワインをテイスティングしなければならない時は、吐き出さざるを得ません」と、彼は語り「でも、瓶詰め間近のワインをテイスティングする時は飲みます。そうしないと、テイスティングの最後の段階、つまり、味覚の『回帰』という根本的な部分が欠けてしまうからです。ワインを完全に理解するには、実際に飲むことが絶対に重要です」と続けた。
リゴーは「ワインは飲むため、消化するために造られる」と語った。
この試飲会には、土壌の専門家ブルギニョン夫妻も出席し、「土壌を念頭に置いてワインを味わうには、飲み込むことが『必須』」と語った。
「ワインのあらゆる品質を本当に知るには、それを飲み込み、がぶ飲みしなければなりません」とリゴーは語り、「香りをかぐだけや、吐き出したりするのはやめてください」と付け加えて、「正しい味覚を持つ人は飲み込む」と述べた。
評論、土壌研究、醸造などワインの様々な分野のトップに立つ3人の意見には納得させられる部分が多い。ワインを味わうのは実際に飲み込むのが最高だという主張は本質をついている。
しかし、樽からにせよ、ボトルからにせよ、20ミリ程度のわずかな量でも10種類も飲めば酔ってしまい、正常な批評能力を失ってしまうのもまた事実だ。
ブルゴーニュの1つのアペラシオンで、朝から晩まで6、7軒のドメーヌを回れば、試飲するワインの数は50を軽く超す。吐き出さなければ酔ってしまう。醸造家にきちんと取材もできないし、車の運転もできない。
吐き出すべきか、飲むべきか。ワインを正しく理解するのは難しい。

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