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ルイナールのフレデリック・パナイオティス、ダイビング中の事故で死去

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 メゾン・ルイナールのシェフ・ド・カーヴ、フレデリック・パナイオティスが15日、ベルギーでフリーダイビングのトレーニング中に事故で亡くなった、61歳だった。ルイナールが16日に発表した。


 パナイオティスはランス出身。1964年生まれ。祖父母のヴィレ・マルムリのブドウ畑で育った。2007年にメゾン・ルイナールに入社。シャルドネに関する知識を積み上げて、2029年に創業300周年を迎えるメゾンのシャンパーニュの品質を大幅に上げた。


 ボトルを覆うセカンドスキン、コルク栓での瓶内二次発酵、メゾンの改修などで大きな功績を挙げる一方で、環境問題への関心も深く、持続可能なワイン造りに注力した。畑に樹木、植物、低木を植樹し、鳥の巣、コウモリ、昆虫のシェルターを設置した。2024年にリリースした気候変動に対応する「ブラン サンギュリエ エディション 19」は大きな注目を集めた。


 モンペリエのENSAで醸造学のディプロマを取得。25歳でカリフォルニアのアンダーソン・ヴァレーに渡り、1991年に帰国して、シャンパーニュ委員会(CIVC)に醸造家兼研究者として勤務し、1994年にブーヴ・クリコに入社。ジャック・ペテルスの下で醸造と広報を担当し、43歳でルイナールに入社。2007年に最高醸造責任者に就任した。


 専門知識はシャンパーニュ業界で高く評価された。たびたび来日し、親しみやすく機知のきいた人柄で愛された。複数の言語に通じ、日本語を流暢に話した。


 ルイナール社長フレデリック・デュフォーは「極めて理性的でありながら、深い感受性を持つ、他に類を見ない個性の持ち主だった」と敬意を表し「情熱的で、好奇心旺盛で、献身的で、科学と知識に通じ、謙虚さを体現した彼は、ルイナールが掲げる価値観の象徴でした。彼の類まれなビジョンは、今後数十年にわたり、ルイナールのメゾンに深い影響を与え続けるでしょう。私たちは彼を深く惜しみます」と追悼した。


 現地報道によると、パナイオティスは15年以上の経験を持つフリーダイバー。50mを超す水深へのフリーダイビングを何度も経験していた。所属していたランスのクラブの3人の幹部と共に、フリーダイビングの訓練を行っていた。水深25メートルまで潜った際、彼を迎えに来たセーフティ・フリーダイバーがパナイオティスが浮上してくるのに気づかず、同僚がロープを引き上げた時はロープから外れていた。消防隊員が数十分後に遺体を発見したという。

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