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混醸に挑戦する「ローダシューズ」、家族ドメーヌがビオディナミで造るゾエミ・ド・スーザ

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 シャンパーニュでグランクリュの畑が売りに出ることは滅多にない。ブドウを売るだけで生計がたてられるから、農家が土地を手放すことはない。


 畑の価格は高い。SAFER(農村土地整備公社)によると、2024年のシャンパーニュ地方のブドウ畑の平均価格はヘクタールあたり112万1800ユーロだった。グランクリュはさらに高い。ド・スーザのヴァランタン・ド・スーザはコート・デ・ブランのグランクリュの推定価格はヘクタールあたり180万から200万ユーロだという。


 ブドウの価格も世界で最も高い。キロあたり1ユーロを切るカバとは違う。ヴァランタンによると、コート・デ・ブランのグランクリュはリュットレゾネで9ユーロから。ブドウ樹の樹齢、栽培手法、栽培農家との契約によって価格は変動するという。


 モンターニュ・ド・ランスのグランクリュ、ヴェルジーのアドリアン・ルノワールによると、ヴェルジーはキロあたり単価が9ユーロからで、オーガニック栽培はプレミアムがついて11ユーロを超すという。


畑仕事は家族で行いビオディナミ実践


 畑は購入できないから、生産規模を拡張するにはブドウを購入するしかない。亡くなったエリック・ド・スーザは将来を見据えて、2004年に新ブランド「ゾエミ・ド・スーザ」を始めた。ベースにあるのはアヴィーズを軸にする自社畑だ。


 そこに様々な筋の情報から、後継者のいない農家の畑などを探した。契約はメタヤージュ(折半耕作)。自分たちで栽培から収穫まで行い、シャンパーニュを仕込んでいる。ネゴシアンではあるが、畑仕事はすべて自分たちの手で行い、ビオディナミを実践している。もちろん、


 長期熟成タイプのド・スーザと違って、ゾエミ・ド・スーザは親しみやすく、飽きがこない。気軽に楽しめるスタイルを目指している。フレッシュ・アンド・フルーティ。デゴルジュマン後の熟成を長くして、深みのある味わいを表現している。


 Merveille(メルヴェイユ)、Precieuse(プレシューズ)、Desirable(デジラブル)、Distinguee(ディスタンゲ)の4つのキュヴェを造っている。それぞれの意味は「美しさ」「才女」「魅惑」「気品」。ドザージュは5g/L前後に抑えている。


 「ゾエミ・ド・スーザ ブリュット メルヴェイユ NV」(Zoemie De Sousa Brut Merveille NV)は3品種のブレンド。軽快で生き生きしている。なめらかな口当たり、レモン、柑橘、オレンジの皮、丸い果実味、ほのかな塩気、アプローチャブル。食前酒にふさわしい。2024年12月にデゴルジュマン。ドザージュは5g/L。1万円。89点。


 「ゾエミ・ド・スーザ ブリュット プレシューズ グランクリュ ブラン・ド・ブラン」(Zoemie De Sousa Brut Precieuse Grand Cru Blanc de Blancs)は繊細で引き締まっている。フローラルで白い花、白桃、レモングラス、ヘーゼルナッツ、上質な酸、調和している。スモーキーな余韻。アヴィーズ、クラマン、オジェのブレンド。デゴルジュマンは2022年9月。エクストラ・ブリュット。1万2400円。90点。


 「ゾエミ・ド・スーザ キュヴェ・デジラブル ミレジメ 2013」(Zoemie De Sousa Cuvee Desirable Millesime 2013)は収穫が遅れたクラシックなヴィンテージ。柑橘、白い果実、アプリコット、すがすがしい酸、熟した果実味、バランスがとれていてエレガント。アヴィーズ、メニル、オジェ、クラマンの50年を超す古樹。225Lの小樽で発酵。デゴルジュマンは2025年11月。ドザージュは3g/L。3万9000円。92点。


 「ゾエミ・ド・スーザ ローダシューズ」(Zoemie De Sousa l'Audacieuse)はアヴィーズのシャルドネとアンボネイのピノ・ノワールを小樽で混醸している。2022年に初めて仕込んでリリースはこれから。ほのかにトースティ、洋ナシ、ミラヴェルプラム、クルミ、はつらつとした酸、なめらかでシームレス。統合されたテクスチャー、フレッシュで深みがある。デゴルジュマンは2025年12月。ドザージュは3g/L。熟成によってバランスが増すだろう。92点。


 輸入元は三国ワイン。


 

醸造担当のヴァランタン(左)と栽培担当のジュリー

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