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キスラーやコスタ・ブラウンなどトップワイナリーにブドウを売る銘醸畑を所有するビル・プライスが、ウィリアムズ・セリエムの元ワインメーカー、ボブ・カブラルをワインメーカーに迎えてブルゴーニュ品種を造る「スリー・スティックス・ワイン」の販売責任者が来日し、7日にお披露目された。
プライスはプライベート・エクイティ企業「TPG」で成功し、1995年にベリンジャーを購入し、ワイン産業に入った。コスタ・ブラウンやブッシェラなど優良なワイナリーを買収し、成長させてから売却してきた。2007年に金融関係を引退し、ワイン造りに専念。キスラーは創業者スティーヴ・キスラーと共同所有し、ギャリー・ファレル、リュタムも所有している。ソノマの畑への関心が高く、デュレル、ギャップズ・クラウン、ワララ、ワンスカイなどの有名畑を所有する。デュレルはキスラー、リュタムなどに、ギャップズ・クラウンはコスタ・ブラウン、パッツ&ホールなどにブドウを売る。
スリー・スティックス・ワインは2002年に設立。ソノマを主体に、サンタ・リタ・ヒルズのピノ・ノワールも生産する。カブラルは、カリフォルニアのピノ・ノワールの先駆者ウィリアムズ・セリエムの社長兼ワインメーカーを2014年まで務め、2015年にスリー・スティックスのワイン生産責任者として着任した。
ジャクソン・ファミリーやコンステレーション・ブランズなどの大手が、ピノ・ノワールの老舗ワイナリーを買収する流れの中で、スリー・スティックスの動きはユニークだ。フォートロス地区の海から3つ目の尾根にあるワララ、やや温暖なデュレル、ペタルマ・ギャップを抜ける太平洋からの強い風が吹きつけるギャップス・クラウンなど7つの自社畑の違いを表現する。
「自社畑なので、品質を管理できる。ボブはビジョンがあり、ディテールにこだわる。ワインメーカーはヨーロッパでは農民だが、米国ではアーティスト。流行に流されやすいカリフォルニアではソノマ・カウンティが忘れられつつあるが、我々はテロワールを表現する偉大な酸のあるワインを造りたい」と、販売担当のクリス・マットソンは語る。
2015年の3種のワインを試飲した。デュレルのシャルドネ、ブレンドで造るPFVピノ・ノワール、ギャップス・クラウンのピノ・ノワール。
「スリー・スティックス シャルドネ デュレル・ヴィンヤード ソノマ・コースト 2015」(Three Sticks Chardonnay Durell Vineyard Sonoma Coast 2015)は、レモンの皮、完熟直前の白桃、ヘーゼルナッツ、継ぎ目がなくまろやか、酸は生き生きしているが硬くはない。アルコール度は14.5%にもかかわらず、強さを感じさせず、緊張感が持続し、塩みが残るフィニッシュ。シャサーニュ・モンラッシェを連想させる。ウェンテ・クローン。ボブはブリックス22から24で収穫するのが理想だという。キスラーのデュレルよりはるかに抑制されたスタイル。フレンチオーク100%で新樽は33%。1万3000円。94点。
デュレルには、海岸に近い砂の多い白い土壌の古い区画と岩の多い新しい区画があり、新しい区画はトロピカルでビッグな味わいになる。キスラーは新しい区画だけ使っていたが、スリー・スティックスは両方をブレンドするのでバランスがとれているという。かつてはリンゴ畑が多かったソノマは、窒素を巻きすぎて肥沃な畑が多いため、窒素を吸収する豆類やクローバーなどのカバークロップを植えて土壌の成分を調整しているという。
「スリー・スティックス ピノ・ノワール PFVエステート ソノマ・コースト 2015」(Three Sticks Pinot Noir PFV Estate Sonoma Coast 2015)は、ラベンダー、レッドチェリー、オレンジの皮、ジューシーで丸い。香りはカリフォルニア的だが、抑制されたテクスチャー、ややアルコリックだが、全房発酵からくるしなやかさが、快活さをもたらしている。最も冷涼なワララ80%に、風の強いギャップス・クラウンとやや温かいデュレルをブレンド。複雑性を狙っている。4日間の低温浸漬。新樽60%。PFVはプライス・ファミリー・ヴィンヤードの略。1万5000円。92点。
「スリー・スティックス ピノ・ノワール ギャップス・クラウン・ヴィンヤード ソノマ・コースト 2015」(Three Sticks Pinot Noir Gap's Crown Vineyard Sonoma Coast 2015)は肉厚で、噛めるようなタンニン、豊満で、統合されている。チェリータルト、バラの花芯、砕いた石、ほろ苦さにシナモンのノート。正確なフィニッシュ。新樽55%。1万5000円。91点。
プライスはIPOBに加盟するリュタムも所有しており、基幹ワイナリーとなるスリー・スティックスはIPOB系生産者の抑制されたヨーロピアン・パレットと、パーカー好みのビッグ・フレーバーの中間を行くスタイル。デュレルやギャップス・クラウンの畑は、ブドウを購入してきた有名ワイナリーよりフレッシュ感が前面に出ている面もある。ボブの畑への理解が深まるにつれて、より個性が明確になるだろう。
輸入元はリエゾン。
プライスはプライベート・エクイティ企業「TPG」で成功し、1995年にベリンジャーを購入し、ワイン産業に入った。コスタ・ブラウンやブッシェラなど優良なワイナリーを買収し、成長させてから売却してきた。2007年に金融関係を引退し、ワイン造りに専念。キスラーは創業者スティーヴ・キスラーと共同所有し、ギャリー・ファレル、リュタムも所有している。ソノマの畑への関心が高く、デュレル、ギャップズ・クラウン、ワララ、ワンスカイなどの有名畑を所有する。デュレルはキスラー、リュタムなどに、ギャップズ・クラウンはコスタ・ブラウン、パッツ&ホールなどにブドウを売る。
スリー・スティックス・ワインは2002年に設立。ソノマを主体に、サンタ・リタ・ヒルズのピノ・ノワールも生産する。カブラルは、カリフォルニアのピノ・ノワールの先駆者ウィリアムズ・セリエムの社長兼ワインメーカーを2014年まで務め、2015年にスリー・スティックスのワイン生産責任者として着任した。
ジャクソン・ファミリーやコンステレーション・ブランズなどの大手が、ピノ・ノワールの老舗ワイナリーを買収する流れの中で、スリー・スティックスの動きはユニークだ。フォートロス地区の海から3つ目の尾根にあるワララ、やや温暖なデュレル、ペタルマ・ギャップを抜ける太平洋からの強い風が吹きつけるギャップス・クラウンなど7つの自社畑の違いを表現する。
「自社畑なので、品質を管理できる。ボブはビジョンがあり、ディテールにこだわる。ワインメーカーはヨーロッパでは農民だが、米国ではアーティスト。流行に流されやすいカリフォルニアではソノマ・カウンティが忘れられつつあるが、我々はテロワールを表現する偉大な酸のあるワインを造りたい」と、販売担当のクリス・マットソンは語る。
2015年の3種のワインを試飲した。デュレルのシャルドネ、ブレンドで造るPFVピノ・ノワール、ギャップス・クラウンのピノ・ノワール。
「スリー・スティックス シャルドネ デュレル・ヴィンヤード ソノマ・コースト 2015」(Three Sticks Chardonnay Durell Vineyard Sonoma Coast 2015)は、レモンの皮、完熟直前の白桃、ヘーゼルナッツ、継ぎ目がなくまろやか、酸は生き生きしているが硬くはない。アルコール度は14.5%にもかかわらず、強さを感じさせず、緊張感が持続し、塩みが残るフィニッシュ。シャサーニュ・モンラッシェを連想させる。ウェンテ・クローン。ボブはブリックス22から24で収穫するのが理想だという。キスラーのデュレルよりはるかに抑制されたスタイル。フレンチオーク100%で新樽は33%。1万3000円。94点。
デュレルには、海岸に近い砂の多い白い土壌の古い区画と岩の多い新しい区画があり、新しい区画はトロピカルでビッグな味わいになる。キスラーは新しい区画だけ使っていたが、スリー・スティックスは両方をブレンドするのでバランスがとれているという。かつてはリンゴ畑が多かったソノマは、窒素を巻きすぎて肥沃な畑が多いため、窒素を吸収する豆類やクローバーなどのカバークロップを植えて土壌の成分を調整しているという。
「スリー・スティックス ピノ・ノワール PFVエステート ソノマ・コースト 2015」(Three Sticks Pinot Noir PFV Estate Sonoma Coast 2015)は、ラベンダー、レッドチェリー、オレンジの皮、ジューシーで丸い。香りはカリフォルニア的だが、抑制されたテクスチャー、ややアルコリックだが、全房発酵からくるしなやかさが、快活さをもたらしている。最も冷涼なワララ80%に、風の強いギャップス・クラウンとやや温かいデュレルをブレンド。複雑性を狙っている。4日間の低温浸漬。新樽60%。PFVはプライス・ファミリー・ヴィンヤードの略。1万5000円。92点。
「スリー・スティックス ピノ・ノワール ギャップス・クラウン・ヴィンヤード ソノマ・コースト 2015」(Three Sticks Pinot Noir Gap's Crown Vineyard Sonoma Coast 2015)は肉厚で、噛めるようなタンニン、豊満で、統合されている。チェリータルト、バラの花芯、砕いた石、ほろ苦さにシナモンのノート。正確なフィニッシュ。新樽55%。1万5000円。91点。
プライスはIPOBに加盟するリュタムも所有しており、基幹ワイナリーとなるスリー・スティックスはIPOB系生産者の抑制されたヨーロピアン・パレットと、パーカー好みのビッグ・フレーバーの中間を行くスタイル。デュレルやギャップス・クラウンの畑は、ブドウを購入してきた有名ワイナリーよりフレッシュ感が前面に出ている面もある。ボブの畑への理解が深まるにつれて、より個性が明確になるだろう。
輸入元はリエゾン。
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