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2001のデュガ・ピィは飲み頃

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 セロスのシャンパーニュを飲むと困る。後が続かないのだ。

 印象が強すぎて、白ワインはほぼ無理。よほどのコルトン・シャルルマーニュかモンラッシェ級でないと。赤ワインも、それなりに熟成した優れた造り手のいい畑でないと、太刀打ちできない。口の中と心の中の余韻に負けてしまうのだ。

 それは経験からわかっている。なので、今回はデュガ・ピィを持ってきた。ジュブレ・シャンベルタンのプルミエクリュ。フォントニー、コルボー、ペリエールをブレンドしている。ポイントは2001年。最近、よく開けている。21世紀では、2004年と並んで、そろそろ飲み頃にさしかかっているからだ。

 赤みの強いルビー。黒いニュアンスはない。キルシュ、ブラウンシュガー、五粉香の香り。なめらかで、しなやかなタンニンにほれぼれさせられる。トラクターや馬で行き届かない部分は、桑で耕すというベルナール・デュガの畑仕事を思い出した。タンニンのしつけ方が行き届いている。抽出が強いのではなく、低収量によるエキス分の充実と果実の凝縮度が、このワインを別次元の飲み物にしている。

 この日のメインは鹿とフォアグラ。相性もよかった。

 2、3時間程度で開くワインではない。おそらく、翌朝飲んでもまだだま元気だっただろう。色合いの若さからして、あと5年は楽に熟成すると思った。

 2001年前後のワインは2000年代後半に買った。当時はデュガ・ピィも手に入りやすく、1万2000円で買えた。今では考えられない。7、8年我慢すると、飲み頃の入り口にさしかかる。ワインは時間を買う飲み物だ。

 それにしても、ベルナールのワインを飲んで、完全に熟成していると思ったためしがない。今回は硬さがとれて、ちょうどいい状態だったが、頂点ではなかった。彼のドメーヌで、61年や75年も飲ませてもらったが、まだまだ元気だった。ジュブレ・シャンベルタンの最高峰は間違いない。

(2014年1月 東京・代官山の「メゾン・ド・スリジェ」で)
ドメーヌ・デュガ・ピィ ジュブレ・シャンベルタン・プルミエクリュ 2001
購入:楽天市場で 1万2000円
年に一度は飲みたい度:93点

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