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シャトー・ルデンヌ、ラベルを変更してオーガニックに転換

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 ボルドーは高いパーカーポイントを目指すシャトーばかりではない。メドック北部のジロンド川の河口近くに立つシャトー・ルデンヌは、食事と合わせて映えるワインを地道に造っている。支配人のフィリップ・ド・ポワフェレが来日し、刷新したラベルとオーガニックの取り組みについて語った。


 ルデンヌは、1880年に始まったメドック最古の白ワインとピンクの壁のシャトーで知られている。コニャックのカミュが英国のギルビー家から購入し、2016年から投資を始め、ド・ポワフェレの着任によって品質を向上させている。


 オーガニックの取り組みは2017年から始まった。HVE(環境価値重視認定)を取得し、発がん性、変異毒性、生殖毒性を有するCMR物質を含む殺虫剤を廃止。2018年から除草剤を止めて、天然肥料だけを使う有機栽培を始めた。耕作用トラクターは3台から6台に増やし、スタッフ教育によって士気を高めた。2022年にオーガニック認証を取得する予定だ。週末でも、雨が降れば社員がスプレイのために駆けつけるようになったという。


 ラベルはモダンで、わかりやすくなった。ピンクのシャトーを連想させるバラのロゴを配置。「LUDENNE」のフォントは、手書きから読みやすい現代的なスタイルに変えた。自社畑を強調する「LE CHATEAU」の文字もあしらっている。「80%のユーザーが気に入っているという反応を得た」とド・ポワフェレ。日本に輸入されるワインは、赤が2014ヴィンテージ、白が2017ヴィンテージから、新ラベルに変更された。


 シャトー・ルデンヌ・ブラン2017とシャトー・ルデンヌ・ルージュの2015、2014,2007を試飲した。


 ブラン2017は、シャトー・マルゴーのパヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴーより早く、1880年に生産されたメドック最古の白ワイン。近年、メドックの多くのシャトーで白ワインが生産される動きに、1世紀半先駆けていた。ほのかな塩気を帯びていて、うまみのある味わい。


 ルージュは心地よいタンニンとフレッシュな酸のバランスがとれている。2007は恵まれたヴィンテージではないが、しなやかなテクスチャーと溶け込んだタンニン、アーシーなアロマ。凝縮度は高くないが、バランスがとれている。


 「ワインは料理より前面に出てはいけない。評論家の得点ではなく、食べ物と合わせて生きるワインを目指している」という狙いがよくわかる。


 MWやMSが投票で選んだ初の「ワイン・ピナクル・アワーズ」で、ボルドーの「秘密のお宝」に選ばれたのが納得の仕上がりだった。


 輸入元はアサヒビール。

支配人のフィリップ・ド・ポワフェレ
右は旧ラベル

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