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ピュアで透明な全房発酵、若手スターのダヴィド・デュバン

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 「ヴィノス」の評論家アントニオ・ガッローニ氏は、熟成中の2014を試飲して「全房発酵しているとは思えない」と語ったそうだ。私もそのエレガンスに舌を巻いた。茎っぽさは目立たない。スパイシーな複雑さが加わり、透明感ある果実となめらかな質感は変わらない。

 1971年生まれのダヴィド・デュバン氏は若手生産者のホープだ。ガイド本「レ・メイユール・ヴァン・ド・フランス 2015」で3つ星を得た理由を納得した。標高400メートルのオート・コート地区のシェヴァンヌにあるドメーヌで、主要なキュヴェを試飲した。いずれもピュアで、エキスにあふれ、ナチュラル。オート・コート・ド・ニュイで40~50%、ヴィラージュで60%、グランクリュは80%の全房発酵を導入している。「口の中に広がる苦味がいい」という。茎が熟しているから、青さは感じない。DRCやルロワに通じるピュアさがある。
 6つのグランクリュのうち、クロ・ド・ラ・ロッシュ、シャルム・シャンベルタン、ラトリシエール・シャンベルタンの2013と2014を試飲した。2014の方が熟度が高く、早くから飲めるバランスの良さがある。ダヴィドは「2007や1997に似たヴィンテージ」と。

 クロ・ド・ラ・ロッシュの2013は砕けた岩、テンションのあるミネラル感、正確で、焦点が合っている。2014は甘いサワーチェリー、より凝縮した果実が加わる。ルロワ、デュジャック、リニエなどの畑と近いが、崇高なルロワを除けば、どれよりもエレガントなクロ・ド・ラ・ロッシュだ。
 シャルム・シャンベルタンはジャッキー・トルショから引き継いだマゾワイエール・シャンベルタンの区画から。2013はみずみずしい果実があり、ミネラルの強いフレッシュな味わい。クロ・ド・ラ・ロッシュより赤系果実が濃厚で、豊かさがある。2014はタンニンがより強く、力強さとエレガンスのバランスが高次元でとれている。谷間から吹き降ろす涼しい風が、この区画のワインにフレッシュ感を与えているという。
 ラトリシエール・シャンベルタンは2009年にルイ・レミーから購入した。1990年にルイ・レミーから購入したルロワと隣接する。クロ・ド・ラ・ロッシュのミネラルとシャルム・シャンベルタンの力感の両方を備えている。2013はフィネスが際立っているが、深みと強烈なエネルギーがあり、途方もない余韻。2014はスケールの大きさで上回り、ヴォリューム感がある。シルキーな質感と集中力、ダークベリー、砕けた石の香り。
 最初は同じオート・コート地区のジャイエ・ジルに学んだというが、完全に追い越してしまった。あらゆるラインアップにすきがなく、最も注目すべきライジングスターだ。

2015年11月2日 シェヴァンヌのドメーヌ・ダヴィド・デュバンで

ダヴィド・デュバン クロ・ド・ラ・ロッシュ 2013
93点
ダヴィド・デュバン クロ・ド・ラ・ロッシュ 2014
93~95点
ダヴィド・デュバン シャルム・シャンベルタン 2013
94点
ダヴィド・デュバン シャルム・シャンベルタン 2013
94~96点
ダヴィド・デュバン ラトリシエール・シャンベルタン 2013
94+点
ダヴィド・デュバン ラトリシエール・シャンベルタン 2013
95~97点・
 
輸入元:中島董商店

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