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日本酒類販売がリカーショップ愛の株式取得

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 酒類・食品卸売業の「日本酒類販売」(倉本隆・代表取締役社長)が、業務用ワイン販売店の「リカーショップ愛」(本田夏子・代表取締役)の発行済株式の100%を取得した。


 リカーショップ愛は1988年に安井康一さんが創業。インポーターから仕入れたワインを社員やインポーターの営業マンを含めて試飲して、評価の高かったものだけをレストランに販売する形で、優良な顧客を拡大してきた。


 東京・銀座の1つ星「バードランド」のオーナーシェフの和田利弘さんは「活気のある試飲で、営業マンも真剣勝負だった。試飲で品質が認められて、レストランに送付するワインリストに載ると、売れ行きが全然違ったと聞きました。社員もエネルギッシュでした」と当時を懐かしがる。


 1989年に酒類販売の免許が緩和され、ワイン市場が広がる中で、その目利き力と試飲コメントがレストランから信頼された。2012年に本田社長が継承した。レストランに毎月、送付する「ワインリスト」は高級レストランの集中する大都市圏だけでなく、今では全国に送付されている。


 仕入先にはファインズ、ラック・コーポレーション、ヴァンパッシオン、エノテカなど、高級ワインに強いインポーターが含まれる。これらはDRC、ラヴノー、コシュ・デュリ、コント・リジェ・ベレールなどの正規代理店。


 ブルゴーニュのトップドメーヌのワインは輸入量が少ないため、ほぼ割り当て制となっている。トップ生産者は星付きレストランなどで供されるのを望むため、インポーターは長年の取り引き歴があるリカーショップ愛経由で、主に優良レストランに高級ワインを販売してきた。


 日本酒類販売(日酒販)の2022年3月期の売上高は5,129億円(連結)。仕入先は2,000社。和酒24%、洋酒28%、ビール類30%、食品15%(連結)。酒類卸の売上高としては国分に次ぐ規模を誇る。自社輸入(輸入数量国内第5位)も行っている。


 ファインワインを売るノウハウやネットワークを学んで、営業力や提案力を高めるのが、今回の買収の狙い。昨年11月21日に100%の株式を取得した。リカーショップ愛の構築してきたポートフォリオやレストランなどの顧客リストをそのままを吸収するつもりはないという。


 日酒販の経営企画室の羽毛田進・室長は「成長の可能性があるワインや日本酒を軸に、お酒と食を通じて人々の幸福実現に向けて挑戦を続ける」と語っている。
 

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