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レバノンのシャトー・マーシャスとシリアのドメーヌ・ド・バージュラス、オーナーのサード家来日

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 レバノンのシャトー・マーシャスとシリアのドメーヌ・ド・バージュラスを手掛けるサード・ファミリーのサンドロ・サード氏が、プロモーションで来日した。


 サード家はシリアとレバノンで、1990年代末にプロジェクトを始めた。レバノンは紀元前6100年にさかのぼるワイン造りの歴史があるといわれる。マーシャスの畑は首都ベイルートから60キロ内陸に入った標高990メートルのベッカー高原にある。赤い粘土と石灰岩土壌。レバノン山脈が地中海からの風をさえぎるため、乾燥したやや温暖な気候となる。シャトー・マーシャスは、グリーン・ハーベストを行い、2回の選果を行う。温度調整機能付きの発酵槽を使い、熟成には新旧の樽を用いる。
 「内戦後の1998年にベッカー高原で栽培に適した土地を探し、恵まれた土壌の場所を見つけた。時間はかかるが、コンサルタントにステファン・デュルノンクールを雇い、挑戦を続けている。レバノンは生産規模が小さいので、品質の高さで世界に出るしかない」と。


 「シャトー・マーシャス・ブラン 2012」(3900円)はシャルドネとソーヴィニヨン・ブランのブレンド。トロピカルな果実の凝縮感があり、粘着感も強い。まろやかでクリーミィ。「ベッカー・ド・マーシャス 2013」(3400円)は赤のセカンドワイン。黒スグリ、スパイシーな香りがあり軽やか。「シャトー・マーシャス・ルージュ 2010」(4500円)は穏やかな酸、力強い果実となめらかなタンニンがあり、レーズン、黒鉛の香り。カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、プティ・ヴェルドのブレンド。
 ドメーヌ・ド・バージュラスはサード家が故郷のシリアでワインを造ろうと、高原の適地を見つけた。2003年に植え付け、2006年に初めて醸造した。地中海からの塩を含む風の影響をそのまま受ける冷涼な気候。収穫はレバノンより1か月遅い10月半ばにずれこむ。


 「ドメーヌ・ド・バージュラス・ブラン 2011」(4250円)もシャルドネ55%とソーヴィニヨン・ブラン45%のブレンド。マーシャスよりフレッシュな酸があり、アロマティック。余韻に塩みを伴う。「ドメーヌ・ド・バージュラス・ルージュ 2010」(5250円)は漢方薬、黒スグリ、濃厚で、アルコール度は16%に達する。涼しさを生かして、シラー60%を核に、カベルネ・ソーヴィニョンとメルロが各20%。新樽と中古樽を混ぜてフレンチオークで熟成する。
 「シリアは、収穫前のブドウ・サンプルを時間をかけて、タクシーでレバノンまで持ってきてラボで検査する。水もなく、電気も自家発電の自己完結したワイナリーだ。ボトルはフランスから輸入し、出来たワインは冷蔵コンテナ車で陸送するなど、ロジスティックで苦労している。ワイン文化がなかったから、労働者には剪定から教えた」
 輸入元はいまでや(043-264-1439)。

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