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ボルドー格付けシャトー来日、2015に大きな期待

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 ボルドーの格付けシャトーを主体とするユニオン・グランクリュ・ド・ボルドー(UGCB)のアジアツアーが24日、東京で始まった。


 UGCBは1973年に創立され、左岸、右岸の134シャトーが加盟する。東京を手始めに、12月1日の中国・広州まで日本、韓国、中国の計7都市を訪問して、業界向けテイスティングを開く。毎年4月のプリムール・テイスティングも主催している。

 今回の試飲ボトルは2012が主体。雨にたたられたヴィンテージで、選別が決め手となった。右岸、ペサック・レオニャンには優れたシャトーがいる。シャトー・レ・カルム・オー・ブリオン・ルージュ2012は、カベルネ・フラン40%、メルロ40%にカベルネ・ソーヴィニヨン20%をブレンドした。左岸でカベルネ・フラン比率が最も高い。支配人はギョーム・プーティエ。ステファン・デュルノンクールが醸造コンサルタントを務め、10~20%の全房発酵を導入し、ピジャージュのみでポンプオーヴァーはしない。フレッシュさとエレガンスがある。温暖化に伴って、カベルネ・フランは重要な存在になっている。


 一方、2015の前評判は高く、右岸、左岸を問わず、大きな期待を寄せている。サンテミリオンでカノン・ラ・ガフリエールを手掛けるステファン・フォン・ナイペルグ伯爵は「よく熟して、統合されている。2005と2009の中間」とコメント。ペサック・レオニャンのオー・バイィのヴェロニク・サンデルスは「分析値は2009と2010を足したような数字になっている。1月にならないとわからないが、偉大なヴィンテージの可能性はある』と。


 ただ、シャトー・ラグランジュの椎名敬一副会長は「メルロは間違いないが、9月半ばと10月に雨が降ったため、メドック全域が成功したかどうか。ラグランジュも区画によってばらつきがある。概してメドック北部より、南部の出来がいい」と語った。ラグランジュは1基2000万円以上の光学式選果機を導入している。「雨が多い年に人間が選別するなら、安全をとって収穫を2日早めるが、光学式は信頼できるので待てる。その差が大きい」と。植え替えた樹が育ち、セカンドワイン用の樹の樹齢も30年を超し、将来に期待が持てるという。


 UGCB会長のオリヴィエ・ベルナール氏(ドメーヌ・ド・シュヴァリエ当主)は、2015について「女性的な2009と男性的な2010の両方の良さを持ち合わせる」と期待。回復の兆しを見せる中国市場については、「中国には普通のワインを楽しむ層と、贈答品や接待で飲む異常な層の2つがある。後者は消えつつある」とコメント。ポスト・パーカーのワイン評論については、「1人でボルドー、ローヌ、カリフォルニアをカバー出来たのが普通ではなかった。今後は1人の権威ではなく、複数の意見を比較する時代になる」との見方を示した。

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