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イラン戦争がワイン産業に圧力をもたらしている。ボトル製造や輸送のコストが上がり、ワインが値上がりする可能性がある。2022年にロシアのウクライア侵攻後に、エネルギーコストが上昇して、生活費のインフレを招いたのと同じ事態を招きかねない。
ワイン・サーチャーによると、フランス国内のワイン生産者の60%を代表する独立系ワイン生産者団体(Vignerons Independants)のジャン・マリー・ファーブル会長は、ガラス製ワインボトルの価格が倍になる可能性があるという懸念を表明した。エネルギー価格の安かった6か月前にボトルを製造したメーカーが30%も値上げしたという憤りを、フィガロ紙で明らかにした。
ウクライナ侵攻時にも、わずか24時間の間に、複数の仕入先が40-80%の値上げを発表したという。ガラス吹き炉の加熱は灯油やLPガス燃料に依存している。フランス国内のワイン消費の減少で、ガラスメーカーが工場の炉を閉鎖していることも影響しているとみられる。
世界の石油と天然ガスが通過するホルムズ海峡の不安定な状況が、輸送コストの上昇を招いている。燃料価格の値上がりは海上輸送だけでなく、陸路の輸送にも影響しているため、サプライチェーン全体に影響をもたらしている。
また、ブドウ栽培にも影響がある。慣行農法ではブドウ樹に窒素、リン、硫黄を肥料としてまくが、ワイン・ビジネスによると、窒素源である尿素の価格が戦争後に50%以上も上がっているという。硫黄の値上がりも栽培に影響する。
こうした輸送コストやワイン生産コストの上昇は避けられず、消費者にはワイン価格の上昇となってはねかえる。
ブドウ畑やワイン輸送で、バイオ燃料への切り替え、燃料費の削減など、二酸化炭素排出量の削減を進める動きが進んでいるが、環境に優しいワイン造りはまだ道半ばですぐには問題は解決しない。ブドウ畑から食卓に届くまで原油はかかせず、大国の支配者の思惑にいつも振り回されるのは消費者だ。
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