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米畑の個性表現する「根知」、2015年新酒の発表会

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 新潟・糸魚川の根知谷から米畑の個性を表現する酒造りに取り組む渡辺酒造店が1日、2015年ヴィンテージの新酒発表会を開いた。
 渡辺吉樹代表が豪雪地帯の根知谷で、急峻な山合いの日照や風向きを考慮しながら、米畑(ライス・フィールド)やヴィンテージの違いを表現している。2003年、米の栽培から仕込みまで自ら行う「ドメーヌ」体制に移行した。五百万石種と越淡麗種の有機栽培に取り組み、テロワールによって、異なる酒を仕込む。香港やチェコにも輸出され、世界的に評価されている。

 渡辺代表は「2015年は8月14日から雨が降り、天候は2014年と似ていた。残念ながら、特等米はでなかった。8月25、26日の台風でフェーン現象が起き、越淡麗の畑は影響を受けて、2010年の猛暑以来の2等米が出た。収穫は9月2日から始めた」
 主に根知川右岸で生産する五百万石と、根知川左岸で生産する越淡麗から仕込んだ2015年の計5種と「山廃仕込 純米酒」を試飲した。
 等級のない米で仕込んだ「Nechi 根知谷産五百万石 2015」はソフトでフルーティ、おおらかで、アルコールの強さを感じる。「Nechi 根知谷産五百万石壱等米 2015」はフレッシュな酸があり、セイバリー、リニアでミネラル感が強い。塩っぽさの残るフィニッシュ。米の違いが明快にテクスチャーと味わいに表れている。
 「Nechi 根知谷産越淡麗 2015」はリッチで、フルーティ、オレンジの花、マンゴ香りがあり、ミッドパレットが厚い。「Nechi 根知谷産越淡麗壱等米 2015」は、フローラル、ミネラル主体で、凝縮力があり、焦点があっている。余韻が長く、塩味の強いものとよく合う。
 2008年から取り組む無農薬で仕込んだ「Nechi 根知谷産越五百万石壱等米 2015」は、複雑性があり、コアの果実に集中力がある。しっかりした背骨と深み。余韻のきれいな伸びが素晴らしい。「山廃仕込 純米酒」はミルキーでチーズの香り、ウマミとフルーティさにあふれ、ハーモニーがある。おかんで引き立つだろう。

 畑や米の等級による違いが明快に表現されている。テロワールを追及する姿勢が、結局は蔵の個性を高めている。これは高級ワインの世界でも同じことで、醸造酒が目指す終着点ともいえる。SAKEが世界市場に広がるなかで、大きな説得力を持つだろう。
 ロバート・パーカー・ワイン・アドヴォケイト(RPWA)が、日本酒の得点評価を始めた。純米吟醸と純米大吟醸78銘柄のうち、「根知男山 純米大吟醸」は4番目の94点を得た。その得点が発表された日の新酒お披露目となった。テロワールのSAKEを追い求める姿勢が評価されたことに関係者は喜んだ。
 ただ、RPWAの日本酒評価は一長一短ある。SAKEが世界市場に進出する機会を開いた点では大歓迎だ。一方で、SAKE評価が1つのメディアに評価される危険もはらんでいる。フランスワインの売れ行きは、フランス人評論家よりも、パーカーポイントに左右されるようになった。日本人による日本酒評価も求められている。

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