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リオハのアロで、クネとロダとリオハ・アルタを試飲

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 スペイン・リオハのアロは19世紀に、ここの鉄道駅から樽に詰めたワインが出荷されたことで知られる。リオハのワイン史を知る上で欠かせない街。駅に隣接するバリオ・デ・ラ・エスタシオン地区に、徒歩圏内でトップワイナリーが集中している。3つの代表的なボデガのワインを比較試飲した。それぞれにスタイルが異なる。


 クネはリオハだけでなく、バルデオラス、リベラ・デル・ドゥエロにも展開するスペインを代表する生産者。フラッグシップ「インペリアル」はグラン・レセルバ1994が2004年にフェリペ皇太子(現国王)のロイヤル・ウェディングで振る舞われた。グラン・レセルバ2004がワイン・スペクテイターのトップワインに選ばれたこともある。スペインを代表するワインの1つで、クラシック寄りのスタイルがわずかにモダンになっている。


 「クネ インペリアル レセルバ 2018」(CVNE Imperial Reserva 2018)はレッドチェリー、リコリス、クローヴ、明るい果実、甘やかなタンニン、正確で力強すぎることがなく、繊細なタッチ。光学式選果機のおかげだろう。口中で広がりがあり、スパイシーで、タバコのノート。厳格なタッチが空気にふれてシームレスにまとまる。標高の高い畑がもたらすフレッシュ感がある。テンプラニーリョと15%のグラシアーノ、マスエロ、ガルナッチャのブレンド。2018年は寒さと雨の後に、夏が暑く、収穫は10月8日から。樽熟成は24か月。15万本。2017のグラン・レセルバは瓶熟成中でクリスマスにリリース。93点。


 ボデガス・ロダは建物からしてモダンだが、テロワールの異なる産地のブドウをブレンドするというリオハの伝統にのっとっている。120haを管理し、そのうち自社畑は70ha。生産量は40万本。2019年は恵まれたヴィンテージ。万人受けするモダン・ボルドーを思わせるスタイル。


 ベーシックな「ボデガス・ロダ ロダ レセルバ 2019」(Bodegas Roda Roda Reserva 2019)はテンプラニーリョ93%、グラシアーノ4%、ガルナッチャ3%。まろやかで、滑るようなテクスチャー。ヴェルベッティで、クリーミィなタンニンはきれいに重合されている。フレッシュな酸を秘めて、バランスがとれている。40%新樽で14か月間の熟成。93点。


 リオハ・アルタは1890年に創設された伝統あるボデガ。伝統の大樽で熟成した古典的なスタイルで、郷愁を誘われる。アメリカンオークを自社で製造している。オーガニック栽培を導入し、太陽光発電を導入するなど、サステイナブルな取り組みも怠らない。


 「ラ・リオハ・アルタ ヴィニャ アルヴェルディ 2018」(La Rioja Alta Vina Alberdi 2018)はテンプラニーリョ100%。難しい冷涼な年だったため2018年はこれだけ造った。上級の809や904のブドウはこちらに回された。柔らかい口当たり、フレッシュで、ジューシー。レッドチェリー、ダークラズベリー、落ち葉、まろやかなテクスチャー、うまみたっぷりで、塩気を帯びた味わい。食事に合わせたくなる。お買い得。92点。
 

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