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2025年世界テイスティング選手権が4日、フランスのジュラ地方で開かれ、フランス・チームが優勝した。日本チームは11位だった。
フランスを代表するワインメディア「ラ・ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス」(La Revue du vin de France=RVF)が毎年秋に、国内の有名メゾンやシャトーで開いてきた。今年はフランスで2番めに大きな要塞のフォート・デ・ルース(Fort des Rousses)に5大陸から40チームが集まった。
2013年に始まり今年は13回目。4人のテイスターとコーチからなるチームがブラインド・テイスティングで、世界中の12種のワインの生産国、主要ブドウ品種、アペラシオン、ヴィンテージを10分間で識別し、総合得点を競う。スコアは大型スクリーンに映され、参加者はリアルタイムで順位を確認できる。
フランスは昨年、28位に沈んだが、夏の間にしっかりと準備をして、2014年、2019年、2021年に続く4度目の優勝を果たした。最終試飲でハンガリー産トカイワインを識別した数少ないチームの1つ。135ポイントで圧勝した。中国とオーストラリアが2位と3位で表彰台に上がった。
昨年は過去最高の4位だった日本チームのテイスターは昨年と同様の片山正樹、横山武信、大倉野泰造、ブリークリー美香さん。コーチはパリのレストラン「プティ・ヴェルド」のオーナー・ソムリエ石塚秀哉さんが務めた。
アジア勢は中国、香港、インド、日本、カザフスタン、マカオ、マレーシア、シンガポール、台湾で、年々勢いが増している。今年は中国とマカオが健闘した。
日本チームの11位という成績は一昨年と同じ。去年より順位は落としたが、今年は接戦だったため、「パフォーマンス的には高かった」とリーダー格の大倉野さんは振り返る。
戦いではちょっとした差が順位を分ける。
「後半、シャトー・ヌフ・デュ・パプ、アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラなどはピタリと当てましたが、セパージュ・ワインのため、品種点はそこまでのびなかった。2位の中国チームと比べると、モスウッドのシャルドネ、オー・ボン・クリマのピノ・ノワールを外したのが大きかった。そこが当たっていれば2位と同じ点だったんですけど……。どちらもセカンド・アンサーだっただけに悔しいです。トゥーリガ・ナショナルとテンプラニーリョはスタイル的には降参でした」
コンペティションは心理状態に左右される。
「シャルドネが出たときは、直前のアイテムが樽のきいたヴェルデホで、それをシャルドネにしたことにより、次の問題で心理的にシャルドネに行きにくくなって、南アフリカの樽のシュナン・ブランにしたのがミスしました」
大会を終えて充実感はあったという。
「強豪のベルギーより上だった。過去最多の40カ国出場した中での結果なので、主催者から日本はレベルが高い国と認識されているようです。結果は目標の優勝にはたどり着きませんでしたが、かなりチームワークが良く、このメンバーと一緒にできたことを誇りに思います」


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