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2年前のブルゴーニュ・スタディツアーのリユニオン・ディナーが、1つ星フレンチ「マノワ」(東京・広尾)で開かれた。熟成したシャンパーニュとブルゴーニュに発見があった。造り手が交代したところもあり、ヴィンテージと飲み頃は通説とは少し異なる。
シャンパーニュはルクレール・ブリアンのアビスとボランジェRD。ヴィンテージはそれぞれ2016と2007だった。
「ルクレール・ブリアン アビス 2016」(Leclerc Briant Abyss 2016)はBisseuilのシャルドネ33%、Avenay-Val-d'Orのピノ・ノワール34%、Vrignyのムニエ33%。ブリュット・ゼロ。シードルに近い濃いめの色調、レモンオイル、リンゴのコンポート、カキ殻、すがすがしい酸、クリーミィなムース、ヨード香とほろ苦みが余韻にたなびく。調和しているものの線が細い。デゴルジュマンしたボトルを2020年8月に海底に沈めて1年後に引き揚げた。澱とともに海底で熟成すれば、地上のテロワールと海底のエネルギーを共鳴させるという狙いがより明確になるだろうが、それをするとシャンパーニュを名乗れない。96点。
「ボランジェ R.D. 2007 」(Bollinger R.D. 2007)はピノ・ノワール70%とシャルドネ30%。RDを造るかどうか迷ったというやや困難なヴィンテージ。黄桃、砕いたチョーク、ペイストリー、きめ細かい酸味が繊細さをもたらし、エレガントで洗練されている。やや細めで切れ味が鋭く緊張感をはらんでいる。熟成によって、リリース時より深みが増している。R.D.(Recemment degorges)はラ・グラン・ダネを仕込んだヴィンテージに、酸があってさらに熟成させる必要があると判断した場合に生産される。2007はデゴルジュマンから発売までの期間は12年間だった。97点。
「中澤ヴィンヤード クリサワ・ブラン 2020」(Nakazawa Vineyard Kurisawa Blanc 2020)はゲヴュルツトラミネール、ピノノワール、ピノグリ、ケルナー、シルヴァネールなどを混植・混醸している。柔らかい口当たり、果樹園の果実、リンゴ、洋ナシ、オレンジ、ハチミツ、ほのかな甘みとほろ苦みが入り混じり、うまみを帯びたたおやかで複雑な味わい。大地のエネルギーを純粋に表現している。90点。
「ルイ・ロデレール コトー・シャンプノワ・ブラン オマージュ・ア・カミーユ 2020」 (Louis Roederer Coteaux Champenois Blanc Hommage A Camille 2020)は白い花、レモンオイル、ミラヴェルプラム、ヘーゼルナッツ、ミント、生き生きしていてシームレス、洗練されて骨格がしっかりしている。キレがあり包み込むような味わい。さらに熟成させたい。メニル・シュール・オジェにあるヴォリバー(Volibarts)の斜面上部の0.546ha。16か月間の熟成に28%の新樽を使い厚みと気品を与えている。砂岩アンフォラ44%とステンレスタンク28%でフレッシュ感とミネラル感を保持している。最良のシャンパーニュを造るジャン・バティスト・レカイヨンはもちろんワイン造りの名手だ。2906本。93点。
「ルシアン・ル・モワンヌ ムルソー・プルミエクリュ ラ・ピエス・スー・ル・ボワ 2013」(Lucien Le Moine Meursault 1er Cru La Pièce Sous le Bois 2013)は赤も白も産するブラニー上部の区画。濃厚な黄色、ほのかにトースティで、熟した白桃、パイナップル、ハチミツ、凝縮して骨格はしっかりしている。砕いた石のミネラル感を帯びた余韻。もう飲み頃。90点。
「ドメーヌ・ルイ・ジャド ミュジニー 2013」(Domaine Louis Jadot Musigny 2013)は明るいルビー、若々しく、ラズベリー、ワイルドベリー、オレンジの皮、フローラルでバラの花弁、濡れたチョーク、しなやかな輪郭に包まれる。上質なタンニン、きめ細かい酸、塩気を帯びたフレッシュな余韻が長く伸びる。北寄りで斜面上部のルーミエに隣接する0.17haの区画。2013年は涼しいヴィンテージで多くのワインに補糖せざるを得なかった。10月5日に雨が降る前に収穫を終えた。フレデリック・バルニエがジャック・ラルディエールを引き継いだ最初の年。順調な滑り出しだ。この夜のショー・ストッパー。95点。
「ドメーヌ・ドゥニ・モルテ ジュブレ・シャンベルタン・プルミエクリュ ラヴォー・サン・ジャック 1999」(Domaine Denis Mortet Gevrey-Chambertin 1er Cru Lavaux Saint-Jacques 1999)はややトースティ、レッドベリー、ワイルドベリー、きめ細かいタンニン、力強い果実味、肉厚でしっかりした構造。フレッシュでスパイシーな余韻。クロ・サン・ジャックに隣接するラヴォー・サン・ジャックはコンブからの風が吹いて少し冷涼なクリマ。モルテは南向きの1.16ha。亡くなったドゥニが新樽で熟成させた。1999年は傑出したワインが多く生まれた。5年前に飲んだこのワインはやや硬かったが今は飲み頃。ほかのワインの経験も踏まえると1999は中距離走者。早く開けた方がいい。92点。
「シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ 2000」(Chateau Leoville Las Case 2000)はダークベリー、カシス、リコリス、鉛筆の削りかす、凝縮していて肉厚、骨太でしなやかなタンニンが調和している。威厳があり焦点があっている。カベルネ・ソーヴィニヨン77%、メルロー14.4%。飲み頃に入っているがさらに10年は進化するだろう。2000は当初は1990年に次ぐヴィンテージと評価されたが、その後の気候変動と栽培・醸造技術の進化によってさらに傑出したヴィンテージが登場している。2000年代のヴィンテージでは早くから手を付けても大丈夫。デカンタージュしてグラス内の変化を楽しみたい。98点。
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