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インポーターの試飲会は、需要を掘り起こして注文をとるのが主な狙い。可能性のある顧客に絞り込んで、限定された規模で開かれるものが多い。WINE TO STYLEがリッツ・カールトン東京で開くものは少し違う。主要なブランドを網羅している。試飲するだけで酔う。
来場者が各ブースに列をなす。広いホールが混み合っている。コストが高そうだ。発注がないと引き合わないだろう。どれだけ売り上げにつながっているのだろうか。太っ腹な"撒き餌"である。
時間に限界もあるので、普段は口にできないワインに絞って会場を回った。
まずスクリーミング・イーグルのザ・フライト2020。最近はナパヴァレーに行かないので、試飲する機会が減っている。
「スクリーミング・イーグル ザ・フライト 2022」(Screaming Eagle The Flight 2022)はブラック・ラズベリー、ブルーベリー、プラム、黒煙、繊細で上質なタンニン、生き生きしていてシームレス。純粋で骨格はしっかりしている。メントール、スペアミント、グリップのある芳醇なフィニッシュ。午後にサンパブロ湾とペタルマ・ギャップから吹いてくる風のおかげでpHが低い。フレッシュでほのかにスパイシー、めりはりがきいている。1980年代に畑の東側に植えたメルロー62%とカベルネ・ソーヴィニヨン38%。29万円。96点。
スクリーミング・イーグルを試飲して、続けて試飲したのはラフルールだった。隣り合ったブースで供されていた。
2022年は乾燥して、夏が暑く、収穫期は好天に恵まれた。フレッシュ感とバランスの良さがあり、2020年代では最良のヴィンテージと言えよう。
「シャトー・ラフルール 2022」(Chateau Lafleur 2022)は調和のとれた口当たり、ダークベリー、レッドベリー、鉛筆の削りかす、フローラルな香りが広がり、バラの花弁に包まれる。きめ細かいタンニン、コクがあり、ブーシェ(カベルネ・フラン)のエレガンスが浮かび上がる。重層的で奥行きが深い。エキゾチックで美しい。力強さと軽やかさをあわせ持つ。スパイシーでミンティなタッチのフィニッシュ。25%新樽で15か月間の熟成。22万5000円。98点。
ナパヴァレーを代表するボルドー・ブレンドとボルドー右岸の頂点に立つグランヴァン。スクリーミング・イーグル支配人のアルマン・ド・メグレはペトリュスやラフルールと比較試飲して、品質を磨いている。気候変動を意識した共通要素がある。
両方とも抽出は強くない。タンニンは軽やか、はつらつとしていて深みもある。歩き回るウォークアラウンドのテイスティングで、この2つを比較できる機会はほとんどない。私が富裕な顧客を抱えるバイヤーなら、その場で発注する。資金力があればの話だが……。
輸入元はWINE TO STYLE。
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