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マスター・オブ・ワインの日本トリップ、世界に開かれた歴史的なイベント

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 各国のマスター・オブ・ワイン(MW)が先週、約1週間にわたって国内の主な産地のワイアリーを回り、試飲やセミナーを通じて日本ワインの見識を深めた。ワイナリーも世界のトップを行くプロとの交流を通じて刺激を受けた。国内のフィールドにとどまっていた日本のワイン業界が世界に門戸を開いた歴史的なイベントになった。


 マスター・オブ・ワインの研修トリップは、ドウロ、ペルー、ウルグアイなど発展途上の産地を対象に、年に2回企画されている。手弁当で各国を訪れる。日本ツアーは3年前から大橋健一MWが企画し、英国ベースのナターシャ・ヒューズを団長に30人が来日した。


 23日の大橋健一MWの総括的なセミナー、ウォークアラウンドの試飲でスタート。24日はシャトー・メルシャンの椀子ワイナリー、長野・小諸のテール・ド・シエルなどを椀子のテロワール、低介入栽培といったテーマを定めて、セミナーや試飲して回った。


 25日は山梨であけののグレイス、サントリーの登美の丘を訪問。26日は勝沼醸造、マンズワイン、98Winesで固有品種の甲州、マスカット・ベーリーAにフォーカスし、27日は山梨銘醸で吟醸酒やスパークリングサケについても学んだ。


 日程を見るだけでも、産地のテロワールと適応する栽培、固有品種の特色などを通じて、海外で日本ワインに触れる機会の少ないMWたちに、日本ワインの全体像と個性を伝える企画になっていることがわかる。詳細なデータの準備が不十分だったとの声も聞こえてきたが、成果は十分に残したと言えよう。


 大橋MWは「日本ワインの最大公約数を伝えるところからスタートした。『世界クラスのワインがこれだけあるのに料飲店では他国のワインが優勢なのは奇妙』というMWの評価も聞いた。歴史的にも意義深いトリップになった」と総括した。


 ボルドー、オーストラリア、ナパヴァレーなどでは、バイヤーやジャーナリストが産地を訪れるイベントは毎年、定期的に行われている。それが品質向上やマーケティングにつながっている。海外のMWが大挙して来日して産地を回るのは初めてのことだ。


 ワールズ・ベスト・ヴィンヤード2025で日本ワインで最高の20位に入賞した98WINEsは、ル・パンを造るティエンポン・ワインのマネージング・ディレクターを務めるフィオナ・モリソンMWが、ブドウに日光をあてるマセラシオンなど独自の醸造にとりわけ興味をもったという。


 オーナーで醸造家の平山繁之さんは「彼女は何もしないワイン造りなのに、『バランスがよくて、アルコール度が低く豊か』と驚いたようです。カルボニック・マセラシオンについても意見を交換し、MWの方々からメールもたくさんいただきました。貴重な機会でした」と感想をもらす。わずか3時間の滞在で普段の週末1日に匹敵する20万円以上のワインが売れたという。


 

シャトー・メルシャン椀子ワイナリーで大橋健一MWとフィオナ・モリソンMW
ウォークアラウンドの試飲会
グレイスにて三澤彩奈さん(中央)とナターシャ・ヒューズMW

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