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ブルゴーニュに霜害の可能性、眠れない夜を過ごす栽培農家

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 シャブリやコート・ドールのブドウ栽培農家は先週後半、霜が降りるリスクに備えて不安な夜を過ごした。今年は2月と3月が暖かく、芽が早く出すぎている。大きな被害は出ていない模様だが、「氷の成人」の5月11日から15日まで油断できない日々が続く。


 FranceinfoやLa Revue du Vin de Franceの報道によると、ブルゴーニュは25日から低気圧が通過し、小雨と低温をもたらした。シャブリでは27日夜、気温がマイナス6度まで下がった。28日の夜はマイナス1度から4度の予報だったが、夜明けにマイナス2.3度だったので大惨事は避けられた。


 農家はブドウ畑に散水してつぼみを氷の層で保護するスプリンクラー、空気を循環させて温かい空気と冷たい空気を混ぜ合わせる風力タービン、木質ペレットを燃やすボイラー、伝統的なロウソクなど様々な対策を講じている。広い畑の場合、上部はタービンで保護され、下部はロウソクで温める。ロウソクは早朝に火を付ける。


 ロウソクは環境に優しくない。DRCは霜対策用のロウソク(ブジー)を倉庫に確保していたが、使ったことはなかった。ヴォーヌ・ロマネの収量が半減し、シャルドネは90%が壊滅した2021年に初めて燃やした。倫理的に使用を控えてきたが、やむを得ない判断だった。


 2021年には4月上旬の霜害によりブルゴーニュ地方の収穫量が半減した。今年も油断はできない。


 対策はコストも手間もかかる。シャブリのローラン・ヴォコレによると、スプリンクラーは午後10時半に散水を始めて、午前1時ごろに氷点下になった時点で氷を作り始める。スプリンクラーは日中も稼働させて氷をとかす必要がある。日が昇って氷がレンズの役割を果たしてつぼみが焼けるのを防ぐためだ。


 対策は費用がかかる。ロウソクは1本あたり10ユーロを超す。1ヘクタールあたり400本以上が必要となる。1個は1、2回しか使えず、6-8時間しか持たない。設置にもコストがかかる。2日続けて設置すると、栽培農家の財政を大きく圧迫する。


 一方で、規模の小さな畑には霜害対策を講じることができないケースもある。イランシーにはスプリンクラー用の水源がない。電気配線も簡単ではない。多額の資金と時間が必要になる。


 コート・ドールでも、先週末はモンラッシェやムルソーなど名高い畑でロウソクが灯され、明かりがきらめいた。コート・ドール農業会議所によると、シャルドネのブドウが芽を出しており、特にムルソー、シャサーニュ、ピュリニー・モンラッシェのブドウ栽培農家に被害が出る可能性がある。


 ブルゴーニュのブドウ畑には気温のセンサーが設置されている。気温が低くなるとアラームが造り手のスマートフォンを鳴らす。午前2時や3時に鳴ることもあり、造り手たちは睡眠時間が短くなり、睡眠不足が続く。不安で眠れない夜が続いている。

Instagram@veronique drouhin
Instagram@Pierre Vincent

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