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4月20日に始まったボルドー2025プリムールの週は晴れ渡って日中は25度を超えた。日本人の姿はほとんど見ないが、台湾やベトナムを含むアジア系の参加者が増えている印象を受けた。ペトリュスは出待ちのコンサート会場のように若き女子が群がっていた。
昨年はジャーナリストとネゴシアンが入り乱れて集中できなかったが、今年は技術責任者のオリヴィエ・ベルーエとさしで試飲して、ゆっくりと話を聴けた。1週間前に向かいのラフルールですれ違った話をしたら、
「お互いに行き来しているんだ。電話して空いてる時間を聞いてね。今日はこれから、ジュリーとバティスト・ギノドーが試飲に来る」と。
ラフルールの試飲は毎年、どこが変わるかわからないから緊張するが、ペトリュスはオリヴィエの冗談交じりの柔らかい性格もあって、肩の力を抜いて試飲できる。とはいえ、2025年は8Kの映像並みに細部の精細度が高くて息する余裕もない。
「ペトリュス 2025」(Petrus 2025)は純粋でエネルギーがあふれている。ブラックチェリー、ブルーベリー、削った黒トリュフ、アイリス、深みがあり重層的。しっかりした骨格と繊細な酸が調和して、ヴェルベットのようにゴージャスで光沢がある。いつも開くのに15分はかかるが、そこからは燎原の炎のように香りが部屋に広がる。内から噴き出す爆発的なエネルギー。フィニッシュはち密で無限の時が過ぎる。99点。
6月から8月までは雨が降らなかった。粘土質主体のラフルールと違って、青い粘土のペトリュスは干ばつの心配がないのだという。収量は20hl/haと低い。アルコール度は14.5%。pHは3.55。フレッシュ感があって安定している。
キュヴェゾンの温度は30度を下回る。穏やかな抽出は変わらない。ピジャージュをせずルモンタージュだけ。ラス・カーズのデレスタージュの話をしたら、「デレスタージュはうちとは無縁。暴力的だ」と。
近年増えているアグロフォレストリーもしない。ブドウ樹を抜いた跡には生け垣を植えることもあるけれど。ワインもクラシックなら、栽培醸造もクラシックだ。
過去のヴィンテージとの比較を尋ねたら、1900年と1971年を挙げた。長期熟成するということだろう。
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