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突き抜けたオマージュ・ア・ジャック・ペランとカベルネ×グルナッシュのオデッセイ(ラ・プラス・ド・ボルドー2021=4)

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 秋のラ・プラス・ド・ボルドー商戦は、カリフォルニア、南米、スーパータスカンばかりではない。2020年からはオーストラリアのブティック・ワイナリー「クラウドバースト」や老舗ジム・バリーのカルトワイン「ジ・アーマー・シラーズ」が加わった。2021年はボルドーのシャトー・ラトゥールやパルメの古いヴィンテージも発売された。


 ブティック・ワイナリーが少量生産のワインを世界に一気に広めるには、ラ・プラス・ド・ボルドーが適している。評論家が評価して、トレードや消費者が発見してくれる可能性もある。


 カルトワインがいきなり、ラ・プラスで広く売られるようになると、各国のディストリビューターは独占的に販売できなくなる。ブランドを育ててきた努力が報われないが、生産者の方針は変えられない。


 今年の商戦では、ラトゥールの2005やパルメの2011も販売された。熟成という付加価値を加えたワインを販売するのも、トップシャトーの戦略の1つとなってきた。シャンパーニュでも同様の取り組みをしている。


レオヴィル・ラス・カーズ支配人手掛けるボルドー×ローヌのブレンド


 CVBGの試飲会では2銘柄のボルドーを試飲した。


 「シャトー・ド・ボーカステル シャトー・ヌフ・デュ・パプ オマージュ・ア・ジャック・ペラン 2019」(Chateau de Beaucastel Chateauneuf du Pape Hommage a Jacques Perrin 2019)は優良年に1909年に植えたムールヴェドルの単一区画Courrieux主体で仕込む。2009以降は毎年生産されている。ラベンダー、レッドチェリーのジャム、ダークラズベリー、生き生きとした躍動感があり、ウルトラシルキー、黒オリーブのタップナード、オレンジの皮、ガリーグ、ジューシーなエキスと温かい果実味が凝縮されている。テクスチャーはクリーミィ、重厚だが、重さはなく、抜けがよい。うまみが載って岩をなめるような味わい、スパイシーなタッチを帯びたフィニッシュ。ムールヴェドルの比率は約60%。98点。


 「オデッセイ 2018」(Odyssee 2018)はローヌのグルナッシュ、クノワーズとメドック北部のカベルネ・ソーヴィニヨンをブレンドしたヴァン・ド・ターブル。19世紀のボルドーにエルミタージュをブレンドした歴史から着想し、レオヴィル・ラス・カーズ支配人のピエール・グラフュイユとローヌのマチュー・デュマルシェルのタッグで2015年に始めた。シャトー・パルメが2004年に始めた「Historical XIXth Century Blend」と同じ発想だ。当初はシラー・ブレンドだったが、良い補完関係のある豊満なグルナッシュに変えた。


 カベルネ・ソーヴィニヨン61%、グルナッシュ32%、クノワーズ7%。アロマティックで、ブラックチェリーのコンポート、プラム、キルシュ、甘苦いスパイス、スムーズで、まろやかなタンニン、黒茶、グリルしたハーブ。ボルドー2018は暑くて凝縮した年。カベルネの堅固な骨組みとグルナッシュのジューシーで甘みのある柔らかさが調和して、ユニークなハーモニーを奏でている。ミント、ダークチョコ、太くて長いフィニッシュ。94点。


ブティックワイナリーのクラウドバースト


 オーストラリアからはジム・バリーのジ・アーマー・シラーズ、ペンフォールズが今年からラ・プラスで売り始めた「Bin 169 Coonawarra Cabernet Sauvignon 2018」、マーガレット・リヴァーの新顔ブティック・ワイナリーのクラウドバーストなどを試飲した。


 「ジム・バリー ジ・アーマー・シラーズ 2017」(Jim Barry The Armagh Shiraz 2017)はクレア・ヴァレーのシラーズ100%。ユーカリ、熟したレッドチェリー、ダークラズベリー、リコリス、甘やかなタンニン、ヴェルベッティで、ジューシーなタンニン、豊かで凝縮した中に緊張感を秘めている。メントール、カルダモン、スパイシーなフィニッシュ。アルコール度は14%。95点。


 ジム&ナンシー・バリー夫妻が1959年に創業。息子のピーターと妻、子どもで家族経営する。シラーズとリースリングを主体に生産する。アーマー・シラーズは1968年に植えられた北西向きの畑から。デビューは1985ヴィンテージ。ラングトンズの格付けで「エクセプショナル」に位置づけられるオーストラリアを代表するシラーズ。


 「ペンフォールズ ビン169 コナワラ カベルネ・ソーヴィニヨン 2018」(Penfolds BIN 169 Coonawarra Cabernet Sauvignon 2018)はコナワラで最古の樹を含むテラロッサのカベルネ・ソーヴィニヨン100%で優良年だけに造る。ブラックチェリー、カシス、鉛筆の芯、豊満で、凝縮し、ほのかな甘みを含むフルボディ。甘いタバコ、ミントチョコ、なめらかで、しっかりした背骨に貫かれ、シームレスなテクスチャー、ミンティでおおらかなフィニッシュ。アルコール度は14.5%。1973が初ヴィンテージで、その後生産されず、2008に復活した。95点。


 クラウドバーストは米国人の映画監督ウィル・ベルリナーが、マーガレット・リヴァーのウイルヤブラップで、ビオディナミにより自根のカベルネ・ソーヴィニヨン、マルベックとシャルドネを少量生産する。2010年に創業。2013年に現地のワインショーで話題をさらった。ジャンシス・ロビンソン、ワイン・アドヴォケイトなどが既に注目している新たなカルトワイン。


 「クラウドバースト カベルネ・ソーヴィニヨン 2018」(Cloudburst Cabernet Sauvignon 2018)はブラックチェリー、レッドチェリー、タール、砕いた石、ピュアな果実がはじけ、ジューシーで、シルキー。スミレ、リコリス、潮の飛沫、シルキーで、抑制されたタッチが心地よい。フレッシュ感があり、スモーキーで正確なフィニッシュ。95点。


 「クラウドバースト マルベック 2018」(Cloudburst Cabernet Malbec 2018)はレッドチェリー、ダークプラム、シナモン、丸くて、シルキーなタンニン、シームレスで、リニアなテクスチャー、塩気を帯びたフィニッシュ。92点。

レオヴィル・ラス・カーズ支配人のピエール・グラフュイユ
アーマー・ヴィンヤードでトム、ピーター、サム・バリー

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