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スペインのリアス・バイシャスのアルバリーニョはもっと見直すべき品種である。NYのワインバーでは寿司や刺身に合わせる海のワインとして人気なのに、日本では相変わらずシャブリやシャンパーニュが供されることが多い。先日会ったベガ・シシリアのパブロ・アルバレスが「素晴らしい可能性を秘めている」とガリシアでワイン造りを進めているワインだというのに……。
緑色の皮を持つアルバリーニョの原産地はイベリア半島の北西端だ。スペインとポルトガルの両方で生産されている。ガリシア地方では、降雨量の多い大西洋に面したリアス式海岸の産地で、最高級の白ワインとして貝類やタコに合わせて飲まれてきた。花崗岩を豊富に含む土壌と冷涼な気候ながら、日照時間は長く、理想的な環境に恵まれている。
ヴェルデホと並んで輸出市場で人気を集めている。肉から魚介へと食の嗜好がライトになっている変化が背景にあるようだ。サントリーニのアシルティコと同様に、塩気とミネラル感を帯びている。軽やかな中に程よい果実味があり、海の幸とよく合う。地産地消が世界に広がっていると言ってもいいだろう。
早飲みだけでなく熟成力もある
早飲みに向いたワインのイメージがあるが、最近試飲したボデガス・フィジャボアは熟成力もある。フィジャボアはスペインのワインガイド「ギア・ペニン」(Guía Penin)で評価が上がっている造り手。ベーシックなアルバリーニョも90点を上回っている。
19世紀初頭に設立されたワイナリーで、D.O.リアスバイシャスのサブゾーンであるコンダード・デ・テアのポルトガル国境付近に位置する。
内陸部にある74haの自社畑はなだらかな丘陵地。石を含む砂質ローム土壌。ほかよりも温暖な気候で、テア川とミーニョ川の影響を受けている。澱とともにステンレスタンクで醸造される。小規模な生産者が多いリアス・バイシャスで自社畑100%は珍しい。
ベーシックなアルバリーニョの3ヴィンテージをミニ垂直試飲した。
「ボデガス・フィジャボア アルバリーニョ 2022」(Bodegas Fillaboa Albarino 2022)はライム、グリーンメロン、タンジェリン、ジューシーで、キレのある酸、ふっくらとした果実味、程よく凝縮している。クリーミーな中にチョーキーなミネラル感を秘めて、ニュアンスに富んでいる。澱と共に6か月間の熟成。91点。
「ボデガス・フィジャボア アルバリーニョ 2023」(Bodegas Fillaboa Albarino 2023)は温暖でよく熟したヴィンテージ。黄色の色調が濃いめで、熟した洋ナシ、パイナップル、ジンジャー、ミッドパレットがしっかりしている。ふくよかな果実味とさわやかな酸が調和し、トロピカルな風味。ほろ苦い余韻。5920円。91点。
「ボデガス・フィジャボア アルバリーニョ 2024」(Bodegas Fillaboa Albarino 2024)は大西洋の影響を受けた涼しいヴィンテージ。果樹園の果実、青みを帯びた柑橘、白胡椒、ピリッとした酸味、はつらつとしている。リニアなテクスチャー、フレッシュなハーブ、骨太で塩気を帯びたフィニッシュ。5920円。90点。
ここでは最良のモンテ・アルトの7haの畑からブドウを選別する上級キュヴェが優れている。
「ボデガス・フィジャボア セレクシオン フィンカ・モンテ・アルト 2021」(Bodegas Fillaboa Seleccion Finca Monte Alto 2021)は7haの垣根仕立ての畑から。ライムオイル、リンゴ、桃、アーモンド、ふくよかでなめらか、クリーミーなテクスチャー。包みこむような深みがある。澱とともに24か月間の熟成。酵母由来の複雑さとほろ苦いミネラル感が引き締めている。8020円。92点。
最後はモンテ・アルトの最高のブドウだけを澱と共に長期熟成した「ボデガス・フィジャボア 1898 ヴィンテージ 2016」(Bodegas Fillaboa 1898 Vintage 2016)。ライムのコンフィ、砂糖漬けの白桃、ペイストリー、ヨード、うまみがあり、エキスが凝縮されている。みずみずしい酸、酵母の風味、ミネラル感を帯びて緊張感の続くフィニッシュ。94点。
どのワインも刺し身や鮎の焼き上げ、筍ご飯とよく調和した。
輸入元はパナバック。
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