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誕生日や記念日にシャンパーニュを開ける人は多い。せっかくなら時間をかけて銘柄を選びたい。料理合わせも考えたい。当たり前の発想である。自分はこのところ時間も気持ちも余裕がない。気楽でおいしいスパークリングに、なじみのお寿司屋さんのお土産にぎりを合わせることが増えてきた。
昨夜開けたのはスペインのラベントス・イ・ブランのド・ラ・フィンカ2021。カバの製法を確立したジョセップ・マリア・ラベントスの孫で11代目のペペ・ラベントスが、DOカバを脱退し、ペネデスのConca del Riu Anoia(コンカ・デル・リウ・アノイア=アノイア川流域)で造っている。
ワインの発展はスペインの復興を象徴
スペインは料理もワインもポテンシャルが大きかったにもかかわらず、フランコ独裁体制化で発展が阻害されたせいで、1990年代以降の発展が著しい。リーダーの1人であるプリオラートのアルバロ・パラシオスは「ワイン産業の発展はスペインの復興を象徴している」と2000年代に語っていた。
在来種を発掘するリオハのテルモ・ロドリゲス、ビエルソのラウル・ペレス、グレドスのヒメネス・ランディら、世界が注目する造り手が次々と登場している。ペペ・ラベントスもその流れを継いでいる。
ペペはジュラのピエール・オヴェルノワと出会い、ディディエ・ダギュノーやユベール・ラミーで経験を積んだ。ビオディナミの認証を取得。自然の豊かな環境で持続可能な農業により、区画を表現するワインを造っている。スペインではコルピナットやカバの規定の厳格化など、テロワールを表現するスパークリングワイン造りが進んでいる。
ド・ラ・フィンカは地中海性気候のコンカ・デル・リウ・アノイアの、海洋生物の化石を含む土壌から造られる。1964年に植えた古樹のチャレッロ50%、マカベオ40%、パレリャーダ10%。チャレッロはカバでもスティルワインでも力を発揮する高貴品種。酸を与える骨格をもたらし、フィネスを表現できる。フランスのワイン生産用ブドウ品種にも認可されている。
「ラベントス・イ・ブラン ド・ラ・フィンカ 2021」(Raventos I Blanc De la Finca 2021)は瓶内二次発酵されて30か月間の瓶内熟成。青リンゴ、ライム、グースベリー、砕いた貝殻、軽やかでニュアンスに富んでいる。柔らかい口当たり、繊細な泡、すがすがしい酸、地中海のハーブ。かすかにチョーキーで、塩気を帯びたち密な余韻。ビオディナミから長期の熟成まで、手間をかけている割にはお手頃な値段だ。5400円。92点。
シャンパーニュは単体で試飲したくなるが、スペインのエスプモーソは料理と合わせて飲みたい。無理してバターを使う冷涼な産地のフランス料理と合わせる必要はない。オリーブオイルをかけた生ハムや刺し身、湯葉とも相性がいい。乱暴に言えば、オリーブオイルを使えば、スペインとイタリア料理はたいがい外さない。
輸入元は日本酒類販売。
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